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真央に有利? フィギュア、ルール改正のポイントは…
国際スケート連盟 平松純子理事に聞く

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2010/7/4 7:00
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2年に一度の改正期を迎え、今季からフィギュアスケートのルールが大きく変わる。浅田真央(中京大)得意のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が女子のショートプログラム(SP)でも単発で跳べるようになり、「浅田真ら日本選手に有利?」との声も聞こえるが、実際はどうなのか。改正点のポイントを記し、そのポイントごとにISU(国際スケート連盟)の平松純子理事に解説してもらった。

ジャンプの回転不足などの減点軽減

日本では女子SPでトリプルアクセルが跳べるようになったことに注目が集まるが、男子SPでもバンクーバー五輪で銀メダルに終わったエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)が「評価が低い」と話して論議を巻き起こしていた4回転ジャンプの跳べる数が、1度から2度に増えた。また、跳びやすい割に得点が高いダブルアクセル(2回転半ジャンプ)はフリーでは3度跳べたが、2回しか跳べなくなった。

そして今回の変更で最大の注目点は回転不足やミスの減点が軽減されたことだろう。これまではジャンプの回転が4分の1回転以上足りないと、回転不足と判定されていた。例えば4回転ジャンプを回転不足の上に転倒すると、3回転ジャンプ分の基礎点しかもらえず、しかも転倒による減点などで、1回転ジャンプ程度の得点になってしまっていた。

今回の改正で「4分の1回転以上2分の1回転未満の回転不足」は、基礎点の70%がもらえる。昨季の高橋大輔(関大大学院)の4回転や、浅田のトリプルアクセルの回転不足は「2分の1回転未満」なのでメリットは大きい。難しいジャンプについては基礎点も上がり、減点幅も縮まった(別表参照)。トリプルアクセルは基礎点が8.2点から8.5点になり、回転不足でも70%がもらえるため6点の基礎点が残る。減点幅も1.4~4.2点から、1~3点の範囲に縮まった。

「難度の高い技に挑戦を」

主なジャンプ基礎点の変化(カッコ内は改正前)
基礎点加点幅減点幅
ダブルアクセル3.3
(3.5)
0.5~1.5
(1~3)
-0.5~-1.5
(-0.7~-2.1)
3回転トーループ4.1
(4.0)
0.7~2.1
(1~3)
-0.7~-2.1
(-1~-3)
3回転サルコー4.2
(4.5)
0.7~2.1
(1~3)
-0.7~-2.1
(-1~-3)
3回転ループ5.1
(5.0)
0.7~2.1
(1~3)
-0.7~-2.1
(-1~-3)
3回転フリップ5.3
(5.5)
0.7~2.1
(1~3)
-0.7~-2.1
(-1~-3)
3回転ルッツ6.0
(6.0)
0.7~2.1
(1~3)
-0.7~-2.1
(-1~-3)
トリプルアクセル8.5
(8.2)
1~3
(1~3)
-1~-3
(-1.4~-4.2)
4回転トーループ10.3
(9.8)
1~3
(1~3)
-1~-3
(-1.6~-4.8)
4回転フリップ12.3
(11.3)
1~3
(1~3)
-1~-3
(-1.6~-4.8)

平松理事 「もっと早く変えたかったが、バンクーバー五輪前に大きな変更をすることには抵抗もあり、このタイミングでの改正になった。4回転をミスすると1回転と変わらない得点になってしまうのはおかしいという認識は以前からあった。難度の高い技に挑戦する人が減って、技の発展がないスポーツというのもね……。伸び盛りであるノービス(10歳から13歳のクラス)の選手たちがミスで順位を落とすのを恐れて、無難にまとめる傾向が出ていて憂慮していた」

「6点満点時代は難しいジャンプを跳ぶ選手が大勢いたけれど、質には疑問がつくものも少なくなかった。だから、04-05年シーズンに導入した新採点システムでは『質を追求しよう』ということになった。そうしたら、難しいものに挑戦してミスをした場合のリスクが大きくなって、難度を落としても全体をまとめて完ぺきに滑ろうという方向が出てきた」

「改正で高難度の技に挑戦する人が増えてほしいが、一方で質にこだわる点は変わらない。全体的にミスの減点幅は小さくなったが、両足着氷などの減点は大きくなった。またジャンプの比重ばかりが高くなると、ほかの要素とのバランスが崩れるので、6種類の3回転ジャンプ中(ダブルアクセルも3回転のカテゴリーに含む)3種類の基礎点は下がったし、減点幅だけでなく、加点幅も小さくなった」

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