エビパン、サバサンド…ソーセージ入りフランスパンも
珍パン迷パンご当地パン(1)

今朝、スーパーのパン売り場をのぞいたら「ハバネロカレーパン」を売っていた。「辛いものが苦手な方はご遠慮ください」と書いてあった。言われなくても遠慮するぜ。
デスクいきなり乱入 遠慮せずいただきます。

先だって喫茶店のモーニングサービスを食べたとき、「トーストお代わり30円」とメニューにあった。「安いじゃん」と思って頼んだ。出てきたトーストは4分の1枚サイズ。一口で食べちゃった。これで30円なら1枚120円の計算。高いじゃん。けっ、よろこんで損したぜ。
カニコロッケサンドを110円という値段で売っていた。買った。でもカニの味なんて全然しなかった。110円で期待した私が悪いのさ。

フランスパンにからし明太子のディップを塗った「明太子フランスパン」というのを見かけた。フランス政府には通報しなかった。
クリームパンやジャムパンは昔からじゃんけんのグーの形をしている。変わっていない。何か法律でもあるのだろうか。

今回からテーマはパンである。VOTE項目さえ想定せずに始めることにしたが、回が進むに連れて思いもよらなかった論点が浮上するのが常である。皆さんからのメールに期待しつつやっていこう。
いきなり珍パン迷パンご当地パンのオンパレード。じっくり読んでね。

穴子パン→穴子入りのカレーパン(横浜)
江戸前サンドイッチ→握り寿司をパンで挟んだサンドイッチ(武蔵野)
エビフライドッグ→ドッグ用のパンにエビフライを挟み、タルタルソースを掛ける(名古屋)
カキバーガー→牡蠣フライハンバーガー(佐世保)
カキフライパン→牡蠣フライを中に収めて焼き上げた菓子パン(金沢)
かれいぱん→全長27センチある超ロングな棒状カレーパン(佐世保)
カレーおやきパン→カレーパンであるが、油で揚げないで釜で焼いたカレーパン、形はおやき風(長崎)
カレー焼きまんじゅう→棒状の細長いカレーパンみたいなまんじゅう(大阪)
ごパン→ごはんをパン生地に練り込んだパン(名古屋)
サバサンド→焼き鯖を使用したサンドイッチ(柏崎)
大福あんぱん→大福1個を入れたアンパン(鯖江)
たい飯゜→鯛の刺身を使用したハンバーガー、別名ドラゴンパン(神戸)
たこ焼パン→たこ焼風味のパン(長崎)
ちくわパン→ツナ入り竹輪が入っているデニッシュパン(名古屋)
ちゃーパン→炒飯入りの菓子パン(名古屋)
でべらパン→でべら(鰈)をのせて焼いたパン(尾道)
天バーガー→天ぷら(かき揚げ)を使用したハンバーガー(東京)
ハトシ→海老すり身またはひき肉を食パンで挟んで揚げる(長崎)
パンカツ→ひき肉を炒めてから水溶き小麦粉に入れ、これを食パンに塗ってから鉄板で焼き上げた物(東京)
パンロール→魚のすり身をミミなし食パンで巻き込んで油で揚げる(小樽)
幻のパン→焼き上げた状態で、パンのミミがない食パン(旭川)
餃子パン→餃子を丸ごとパンに入れて焼き上げた菓子パン(宇都宮)
餃子パン→餃子をサンドイッチ状に挟んで油で揚げたもの(大阪)
以上の中でやはり、秀逸なのは「江戸前サンドイッチ」ではないでしょうか。どのような考えがあったら、握り寿司をサンドイッチにするという発想が生まれるのでしょうか。
その伝で行くと「ちゃーパン」などもかなりの困り者でしょうか。炒飯をパン生地で包むという快挙に出ていますから。
上記の中でパン屋さん以外が販売しているのが小樽の「パンロール」です。これはかまぼこ屋さんが製造販売しています。
実は「たこ焼パン」はもう二つほど変化形がありまして、パン生地の上にたこ焼をのせて焼き上げたタイプと、パン生地の中にたこ焼を入れたタイプがあります。そう言えば「エビフライドッグ」はコンビニメニューで出ていましたね(島野さん)

さあ大変だ。いきなり大量出現。私が食べたことがあるのは「あなごパン」。油で揚げてあったがカレーは入っていなかった。それとサバサンド。これは小浜産であった。ハトシは当サイトで語源も含めてお勉強済み。大阪で食べた「エビパン」がこれである。
皆さんはいかかであろうか。いくつくらいご存じ? 江戸前サンドは東京のどこで売っているのか知りたい。知るだけでいい。でべらパンも見るだけでいいが、取りあえず見たい。
デスク思わず 僕は食べたい。

かつて日本経済新聞に連載した「偏食アカデミー」で「和風サンド」というものを追いかけたことがある。ネギトロサンドとかそういったものである。だが、こうしてみるとパンは途方もない広がりを見せている。何が飛び出すかわからない。でべらは前のテーマで出てきた魚の干物である。干物をパンにのせるのか。凄い力技。この分だと、超高級金目鯛の干物パンがでてくるのも時間の問題であろう。

だが、私はこのリストを見てひとつ安心した。「チャンパン」がまだ存在していない。チャンポンをパン生地で包んだものがない。よかったー。もし、そんなものが現れたら私は寝込む。
おっと、築地木村家には「三林京子パン」がある。蜂蜜林檎あんぱんなので、中の2文字をとって「みつ林」パン。

パンはひょうたんの形をしていて、中に白味噌あんが入っています。しかも、そのあんの中には細かく刻まれた甘煮のひょうたんが入っているんです。ひょうたんの味自体を元々知らないのでひょうたんの味がするかと言われると微妙なのですが、食べるとひょうたんの粒のコリコリした食感が感じられます。
このお店、フォーシーズンズホテルのブーランジェだった方が1年ほど前に始めたお店ですので味は確かです(転勤族の妻さん)
ひょうたんの甘煮が入ったパン。要するに日本においてパン生地は何かを包むものとして理解されているようである。だから「チャーパン」が生まれるのである。でも「チャンパン」はやめてね。


佐世保の全長27センチ棒状カレーパンといい、この60センチ級ソーセージパンといい、大きさ長さで訴える系が存在する。大きいことはいいことだった時代もありましたなあ。
ここでデスク乱入 うちの近所にも長~いソーセージパンあります。店頭でとぐろを巻いています。中身のソーセージはチョリソーです。
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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