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W杯、軽いボールと高地が生む「予測外」の出来事
編集委員 武智幸徳

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2010/6/15 7:34
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開幕からまだ1週間もたっていないが、やはり高地の影響を感じるワールドカップ(W杯)になっている。特に「軽い」と評判のボール周辺で。

今大会の公式球については大会前から現場の監督や選手から不満が相次いでいた。スペインのGKカシリャスは「まるでビーチボールのようだ」といい、ブラジルのドゥンガ監督は「このボールでやるしかないのだから適応するしかない」としながらも、ボールに対する文句は負けた時の予防線という国際サッカー連盟(FIFA)側の見解に対して「だったらここに来て実際にボールをけってみろ」と逆襲している。

保守的なサッカーで…

そもそも、サッカーはルールに対して保守的な考えを持つ人が多い。FIFAのブラッター会長にインタビューした時も「サッカーが今のままの姿であることに何の問題もない」と答えていた。人数は11人対11人、ゴールは2個、ボールは1つ、このシンプルさがいいのだと。米国産のスポーツに比べて点数が入りにくいことをとらえて「もっとゴールを大きくした方がいい」とか「人数を減らしてスペースがたくさんできるようにしたらどうか」という意見が出されても愛好家は一笑に付してきた。

そんな保守的な競技で、それでも大衆のゴールへの渇望を満たそうとしたら、どこに手は伸ばすべきか? それはボールやシューズといったギアを進化させるしかない。そういう意味では今回の騒動は起こるべくして起きたことと私には思える。

Jリーグでは激しい不満はなし

ただ、ボールだけに責任を負わせるのはどうか、という気もしている。Jリーグは今季からすでにW杯の公式球と同じものを採用しているが、選手からそれほど激しい不満は出ていない。「当初は戸惑ったけれど、もう慣れた」という感じなのだ。南アフリカで問題なのはボールそのものより、高地の会場が多いことで、ボールの持つ特性がより助長されてしまうことにあるのではないだろうか。

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