2019年2月19日(火)

ピッチの風

フォローする

メッシはマラドーナの「神域」にどこまで迫ったか
編集委員 武智幸徳

(1/3ページ)
2010/4/26 11:09
保存
共有
印刷
その他

ディエゴ・マラドーナ(49)とリオネル・メッシ(22)。アルゼンチンが生んだ新旧スーパースターの比較論がこのところ、かまびすしい。2人が6月に開幕するワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に監督と選手として一緒に出場することも、何かと興味をかき立てているようだ。

「神の手ゴール」と「5人抜き」

マラドーナは1986年メキシコW杯で祖国を優勝に導き、アルゼンチン国民から「神様」としてあがめ奉られる存在となった。同大会準々決勝のイングランド戦で見せた「神の手(ハンド)」のゴールと「5人抜きドリブルシュート」はサッカー史に永遠に語り継がれる"怪挙"と「快挙」だろう。

続く90年イタリアW杯でも満身創痍(そうい)の体を引きずってチームを準優勝させた。その後、薬物に手を出したり、自宅前に押しかけた記者に空気銃を乱射したり、太りすぎて死にかけたりしたが、それでもアルゼンチン国民は大恩あるこの英雄を愛してやまない。

メッシは今、当代最高の選手としての地位を築きつつある。所属のFCバルセロナを国内、欧州、世界王者へとステップアップさせ、今季のスペインリーグではポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナルド(レアル・マドリード)らを抑え、得点王争いでトップを走っている。

小柄でともに左利き

この2人、確かに共通点は多い。身長はマラドーナが166センチ、メッシが169センチ。小柄でともに左利き。マラドーナが欧州で最初にわらじを脱いだクラブもFCバルセロナだった。典型的なアタッカーであり、ドリブルで敵陣を切り裂き、状況に応じてスルーパスとシュートを使い分けるところも似ている。これまで何人もの選手が「マラドーナ2世」と呼ばれてきたが、マラドーナの神域にここまで肉薄してきたのはメッシが初めてだろう。

人間性はかなり異なる。既成の権威や権力に公然と牙をむくマラドーナに対してメッシはどこまでも慎み深い。

2人の武器であるドリブルにしてもテイストは異なる。若かりしマラドーナと対戦経験がある某日本選手はそのドリブルを「ウシが向こうから突進してきた」と評した。あまりの回転の速さに脚が4本に見えたのか、真意は不明だが、とにかく生身の人間では止められないと感じたらしい。「ドリブルの間中、ボールが常に体の真下にあった」という証言もある。タックルしようにもボールが足から離れないので足を出すタイミングがまったくつかめなかったというのだ。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

電子版トップスポーツトップ

ピッチの風 一覧

フォローする
長友のハンドをめぐり、主審(中央)に詰め寄るオマーンの選手たち=APAP

 サッカーのアジアカップはベスト16の顔ぶれが出そろった。今回は日本でテレビ観戦を決め込んでいるが、放送の間にちょっと気になるのが「中東の笛」というフレーズである。そんなもの、本当にあるのだろうか。
…続き (1/18)

香川(手前右)は今季、クラブで出場機会に恵まれていない=ロイターロイター

 サッカーのドイツ・ブンデスリーガの強豪ボルシア・ドルトムントが、11月に日本のスポンサーを対象にしたワークショップを開いた。日本代表の香川真司も所属する世界でも有数のビッグクラブが日本で初めて行う、 …続き (2018/12/7)

川崎はここ5試合、負けていない=共同共同

 2018年の明治安田生命J1リーグは昨季のチャンピオン、川崎が今週末の第32節にも優勝を決める勢いだ。2連覇を達成すれば、12年、13年の広島以来、5チーム目の快挙になる。 …続き (2018/11/9)

ハイライト・スポーツ

[PR]