「ノボリタガール」オフタイムも主役 働く女性全国1万人調査から(下)
管理職女性、おしゃれもグルメもリード

2010/3/26 7:00
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管理職は友人との優雅なディナーも多いが、いつも時間に追われがち

管理職は友人との優雅なディナーも多いが、いつも時間に追われがち

有職女性といっても、その消費ニーズは一様ではない。年代やライフステージの違いはもちろん、消費の原資となる就労の動機やキャリア形成での目標も実に様々だからだ。それではワークスタイルの違いも消費に影響をもたらすのではないだろうか。職種別の回答結果に注目していくと、回答した有職女性の1%とごく少数ながら、均等法の申し子といえるキャリア志向の強い管理職女性は、消費パワーが突出していることが分かった。

自身の年収の高さ、管理職が突出

ワークスタイルによる違いを見るため調査対象の働く女性から、「管理職」「正社員・公務員(管理職を除く)」「専門職(弁護士、医師、税理士、教授・教員など)」「派遣社員・契約社員」の4つを抜き出して分析した。(図表1)

図表1

図表1

まずは就労マインドの違い。目を引くのは管理職のキャリア志向の高さだ。例えば、「自分らしい人生を送るうえでは仕事での成功も求めたい」は52.5%と過半数に達し、それ以外の正社員・公務員より約25ポイントも高い。専門職も、「仕事は自分の楽しみである」が管理職と並んで29.3%に達し、一般の正社員・公務員より12.5ポイント高いなど、ワークライフをおう歌している様子だ。「自身の年収」でも高さが目立つのは管理職。この職種だけ年収1000万円以上の人が1割を超えた。

専門職、旅行など時間消費を好む

消費動向を決める要因には当然のことながら、収入の高低だけでなく、ライフスタイルでの志向や家族構成など実に様々な要因がある。だが、調査結果をみていくと、職種によっても、消費スタイルの傾向は違いがありそうだ。

それを地形になぞらえ、まとめてみたのが(図表2)だ。管理職はキャリア形成でも消費スタイルでも共通してみられる上昇志向から、「ノボリタガール」と名付けた。ちなみに、管理職は趣味に「登山・ハイキング」を挙げた人も5.1%と職種別で最も多かった。

図表2

図表2

一方、専門職は「趣味」で旅行を挙げた割合が各職種のなかで最も高い。さらに「ストレス解消法や楽しみ」でも、「旅行・レジャー」が47.0%と職種別で最も多く、時間消費を好む傾向が顕著だ。ゆったりと余暇を楽しむ様子は、頂上を極めんとするノボリタガールとは違い、平地に近い里山での散歩を連想させる。そこで「里山小町」と名付けた。

これらに対し、とにかく人数が多い管理職を除く一般の正社員・公務員には目立った消費スタイルはない。まるで広大な平原のようだ。そこで「原っぱカケンヌ」とした。原っぱカケンヌの回答傾向は、派遣社員・契約社員と似ているものが多い。ただ、両者は雇用の流動性に肯定的かどうかを巡り、違いがある。派遣社員・契約社員は、技能やチャンス次第では、飛躍・転進の可能性もある。まるでせせらぎもあれば大海へとつながる場合もある川のようだ。ここから「流(なが)レーゼ」と命名した。

忙しいノボリタガール、食も重視

管理職のノボリタガールは「最近自分の時間がない・足りない」という人が40.4%に達し、有職女性全体より10ポイント以上高い。そのせいか、「これにはお金をかけている」でトップの「国内・海外旅行」も、経済的なゆとりの割に有職女性全体との差はプラス5ポイント未満と少ない。(図表3)

図表3

図表3

だが、「家庭での食事の食材(有機野菜など)」にお金をかけている人の割合は全体を11.3ポイントも上回り、「外食」も同7.6ポイント多い。調査では、状況別に外食でよく利用する店も尋ねた。ノボリタガールは「女性の友人・知人とよく行く」で「高級フランス・イタリア料理店(コースで1人あたり5000円以上)」が11.5%と唯一1割超(有職女性全体では3.9%)となった。独特の高級志向を発揮し、グルメをリードしている。

ノボリタガールは化粧品など美容関連への支出も積極的だ。調査でも「これにはお金をかけている」もので「書籍・雑誌」と並び、6位と上位だ。1986年の均等法の施行前後に就職した40代女性について、資生堂では「24時間忙しく、自分が使用する化粧品についても『今すぐ結果を求めたい』という意識がとても強い」とみる。

管理職も多いこの世代の女性もターゲットに、同社は2009年10月、「リバイタル グラナス プラチナムシステム」を発売した。美容マスク、保湿液など5品目を14日間使い続けて肌の調子を整える集中スキンケアセットだ。税込み2万6520円と安くはないが、「短期間で疲れた肌がよみがえるかもしれない」という期待もあってか、発売後1カ月の売り上げは当初計画の2倍を達成した。

専門職の里山小町、高級家電に高いニーズ

一方、専門職の里山小町は、時間消費を好むとあって、「これにはお金をかけている」も「国内・海外旅行」がトップ(図表4)。

図表4

図表4

専門職は管理職と同様に「仕事は自分の楽しみ」と思う割合が高いなど仕事への意欲も高い。だが、仕事に追われる日々でもないようだ。調査で「余暇時間の長さ」について「満足」「まあ満足」と答えた割合の合計は56.1%で管理職より10ポイント以上高かった。オンとオフのバランスが良く、そうしたライフスタイルが時間消費に向かわせているのかもしれない。(詳細は調査報告書「働く女性が拓く市場」=日本経済新聞出版社、8400円)

【調査概要】
▼実施時期 2009年11月
▼調査方法 インターネット調査(パソコンからの回答)
▼調査対象者 (回答者数)全国の20~40代女性の中の、(1)働く女性1万304人、(2)専業主婦1035人の計1万1339人で、双方とも各年代の回答者の割合がほぼ同等になるように設定。
▼ 調査委託先:マクロミル
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