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格安スマホ、本格普及へ 節約効果は絶大

NTTドコモなど大手通信会社の回線を借りて、割安な値段で通信サービスを提供する格安スマートフォン(スマホ)が本格的な普及期に入った。従来は通信設定が面倒、サポート体制が脆弱といった欠点があったが、家電量販店などの参入でハードルが下がった。調査会社MM総研(東京・港)の推計では格安スマホの契約回線数は18年3月末に16年3月末の2倍以上の1170万回線に増える見通しだ。

月額2000円未満からが主流に

KDDI系の通信会社で格安スマートフォン(スマホ)事業を手掛けるUQコミュニケーションズ(東京・港)は6月29日、米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」の販売を7月15日から始めると発表した。格安スマホは、「実質0円」の販売が自粛されて以降、消費者の間で関心が高まっている。
取り扱いを始めるiPhoneは、旧型機種の「iPhone5s」。記憶容量は16ギガバイト。色はシルバーとスペースグレーから選べる。5sは2013年に投入されたモデルだが、最新機種の「6s」に比べて画面が1回り小さく、持ちやすいこともあり、根強い人気を保つ。
KDDI系のUQコミュニケーションズは7月1日、格安スマートフォン(スマホ)が月1980円(税別)から使える割引キャンペーンを始める。ソフトバンクが「ワイモバイル」ブランドで6月1日に始めた月1980円(税別)からの格安スマホ料金に対抗し、従来料金から1000円引き下げる。携帯大手の関連ブランドによる相次ぐ値下げで格安スマホの普及に一段と弾みがつく見通しだ。
携帯大手ではソフトバンクがワイモバイルのブランドで月1980円(税別)から使える「ワンキュッパ割」を始めている。UQコミュニケーションズは「イチキュッパ割」と名付け、同じ料金で対抗する。割引は利用開始から13カ月までの適用となり、14カ月目からは月2980円(税別)になる。
KDDI系も格安スマホ月1980円(6月23日)
楽天は28日、スマートフォン(スマホ)が月1880円(税別)から使える新プランを7月1日に始めると発表した。スマホ本体の分割代金と通信・通話料を含む料金で、ソフトバンクやKDDI系の格安スマホより100円安く設定した。
「フリーテル」ブランドで格安スマートフォン(スマホ)を開発・製造するプラスワン・マーケティング(東京・港)は27日、通信料とスマホ本体の分割代金の合計で月576円(税別)から使える新しいキャンペーンを発表した。NTTドコモなど携帯大手の最低料金よりも8割以上安くして、利用者に切り替えを促す。

新規参入も相次ぐ

大手携帯電話会社よりも割安な通信料金でスマートフォン(スマホ)を利用できる「格安SIM」。格安SIMが普及し始めた頃はインターネットプロバイダーを中心とした通信業界からの参入が主だったが、近年は異業種からの参入が相次いでいる。
なかでも楽天の「楽天モバイル」とイオンリテールの「イオンモバイル」は、異業種からの参入ながら、格安SIMとして知名度の高いサービスを提供している。
楽天とイオンの格安SIM 料金と店舗数でイオンが勝る(6月9日)
無料対話アプリのLINE(東京・渋谷)は3月24日、今夏をメドに格安スマートフォン(スマホ)事業に参入すると発表した。料金を月500円からに抑え、同社の対話アプリを使う際のデータ通信を使い放題にする。格安スマホはイオンやケーブルテレビ大手などが販売を始めており、市場が拡大している。LINEの参入で競争が一段と激しくなりそうだ。
月額500円のプランでは、音声通話や動画視聴などの機能がある同社の対話アプリにデータ通信量の上限を設けず、使い放題にする。交流サイト(SNS)のフェイスブックとツイッターも無制限で使える。
LINEが格安スマホ参入 月500円でデータ使い放題(3月24日)
コープさっぽろは2月9日、5月1日から格安スマートフォン(スマホ)の販売を始めると発表した。通話機能付きの最安プランで月額料金を2000円に抑え、主に主婦層やシニア層の利用者を開拓する。今春から販売を始める家庭用電力とセットで契約すればさらに料金を割り引く。電力販売にも弾みをつける考えだ。
コープさっぽろ、格安スマホ参入 月2000円から(2月9日)

家計改善効果は絶大

「ゲームをしないので通信容量は3ギガもあれば十分。通信速度も通話品質も問題ない」。1年ほど前に格安スマホに乗り換えた東京都内の30代会社員は以前は月額7千~8千円かかっていたスマホ料金が2千円程度に下がった。
ゼロ円スマホそろり復活? 中古・格安の台頭で(7月1日)
まずは毎月の支出を把握すべく、奥さんを連れてきていただき、聞きながら家計状況をまとめました。
すぐに連絡が取れるようにと家族全員がスマートフォン(スマホ)を持っています。固定電話も合わせ通信費は4万8000円もかかっています。5台のスマホと固定電話はキャリアをそろえ、割引してもらっているとアピールされていましたが、それでも高いように思います。
通信費ははやりの格安SIMを利用し3万円削減です。
高所得でも貯蓄なし 老後貧乏招く超メタボ家計(2015年8月26日)

通信品質向上、通話定額も

動画配信のU-NEXTインターネットイニシアティブ(IIJ)と格安スマートフォン(スマホ)で提携する。U-NEXTの店舗やインターネットなどの販路を生かし、使い放題のプランを月額で税抜き2480円で提供する。競合他社は2千円台後半が多い。ネットワーク品質の高いサービスを気軽に利用できるようにする。
同社は直営店以外に、8月から家電量販店で販売を始める。IIJと共同のプランを広げ、初年度で約10万人の利用を見込む。
U-NEXT、IIJと提携 格安スマホ使い放題2480円(6月8日)
関西電力の通信子会社ケイ・オプティコム(大阪市)は5月31日、9月にも格安スマートフォン(スマホ)「mineo(マイネオ)」で優先して通信枠を使えるサービスを始めると発表した。追加料金を払えば専用帯域を使えるようにし、通勤時などスマホ利用が集中する時間帯のつながりにくさを解決する。2017年には東京都渋谷周辺に直営旗艦店を設け、マイネオの販売を強化する。
6月には定額通話サービスも始める。定額パックを使えば通常より最大で3割安くなる。
ケイ・オプティコム 格安スマホ通じやすく 追加料金で通信枠(5月31日)
楽天モバイルは、通話定額オプションの「5分かけ放題オプション」(月額850円)が大きな特徴だ。通常の通話料は楽天モバイルもイオンモバイルと同じ30秒当たり20円だが、5分かけ放題オプションでは最初の5分間の通話料が無料になる。5分を超えた分の通話料も、半額の10円になるのが特徴だ。
楽天とイオンの格安SIM 料金と店舗数でイオンが勝る(6月9日)

端末と通信をセットに

「FREETEL(フリーテル)」ブランドで展開するSIMフリースマホの販売が好調だ。いくつかの調査データによると、2016年2月の国内SIMフリー端末市場で首位となる販売台数シェア40%超を獲得。もう一つの仮想移動体通信(MVNO)事業も、ヨドバシカメラの契約数では9カ月連続1位だ。
成功の主因は、スマホ端末とMVNOの両方を手がける垂直統合のモデルにある。参入当初の業界では、むしろ端末と回線を分離した水平分業が進むとの見方が一般的だったが、今ではアップルが「アップルSIM」、グーグルが「プロジェクトFi」という通信サービスを始めるなど、世界のトレンドは垂直統合に向かっている。
垂直統合を選んだ一番の理由は、ユーザーの面倒をなくすためだ。特に日本では端末と回線をセットで買う文化がずっとあったため、両方を一緒に提供したほうがわかりやすい。端末があるから回線のブランド力も高まり、回線があるから端末のユーザー体験を高められる。
創業4年で首位 格安スマホ「フリーテル」躍進の秘密(6月3日)
家電量販店の入り口正面は3大携帯キャリアの聖域ともいえる場所で、ヨドバシAkiba店でも以前はauの売り場だった。だが、新学期商戦を控えた今年3月中旬、ベテランで成長に限界の見えたauに代えて、期待の若手であるフリーテルを思い切って起用した。
フリーテルを知ってますか(6月28日)

サポート充実が課題

自ら店舗を構えるMVNOは少ない。2016年4月下旬時点ではイオンモバイル、FREETEL SIM、mineo、U-mobile、楽天モバイルの5社しかない。さらに基本的には店舗数も多くなく、例えばmineoはJR大阪駅近くの商業施設「グランフロント大阪」内の1店のみだ。
リアル店舗や専用コーナーの設置に積極的なのは、イオンモバイルとFREETEL SIM。2月からMVNO事業に参入したイオンモバイルは、全国213のイオンに専用コーナーを設け、「サポート体制の充実」も売りに掲げる。FREETEL SIMは、ヨドバシカメラとタッグを組んで、3月上旬時点では全国11店舗のヨドバシカメラ内に専用コーナー「FREETELコーナー」を設けている。
結果から言うと、MVNOの直営店舗でのサポートサービスは現状、SIM購入のときに必要なAPN設定(データ通信を行うための設定)のみというケースが多い。個人情報に関わる部分の設定や「アドレス帳の移行などデータ破損が生じる可能性があるサービスは基本行えない」(某直営店のスタッフ)。
大手キャリアのようなサポートを受けたい。そんな人の受け皿となりそうなのは、家電量販店だ。格安SIMの専用カウンターを設けるビックカメラやヨドバシカメラを筆頭に、家電量販店の多くは、有料ではあるがサポートメニューを用意する。
格安SIMのサポート体制、増えてきた訪問サービス(5月10日)
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)系の格安スマートフォン(スマホ)会社「トーンモバイル」が、サポートに力を入れる独自路線を打ち出した。ブームとなっている格安スマホだが、すでに国内には200社近い業者が参入し激しい戦いを繰り広げている。そこで生き残るために、国内大手携帯電話会社(キャリア)に準じたサポート体制を用意して、他の業者と一線を画す戦略だ。料金は大手キャリアの3分の1程度に抑えながら「十分もうかる」とそろばんをはじく。
格安スマホでも「安心」売る ツタヤの生き残り策(2015年11月19日)
(UQコミュニケーションズは)ヤマダ電機やヨドバシカメラといった家電量販店に売り場を設け、販売員が対面で接客することで女性や高齢者の契約を取り込む。すでに300店近くにある売り場を7月中にも1000店まで増やす。auのスマホ売り場の横に専用スペースを確保し、auのスタッフが接客を支援する。携帯電話の販売代理店での取り扱いも拡大する。
KDDI系も格安スマホ月1980円(6月23日)
(楽天は)メールの返信や写真の表示方法が分からないときに電話で相談できる月500円(税別)のサポートサービスも7月下旬に始める。自宅で契約手続きができる出張サービスも5月に始めており、格安スマホに切り替えたいが不安がある高齢者の需要を取り込む。

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