2019年4月23日(火)

クマやワニの被害、国内外で相次ぐ 身を守るには

2016/6/20 18:00
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青森県警が行った、クマへの注意を呼び掛けるチラシの配布(11日、青森県新郷村)=共同

青森県警が行った、クマへの注意を呼び掛けるチラシの配布(11日、青森県新郷村)=共同

秋田県鹿角市の山林でクマに襲われたとみられる4人の遺体が見つかるなど、全国で被害や目撃情報が相次いでいる。名古屋城の外堀では体長1メートルを超す外来魚「アリゲーターガー」が度々目撃され、米ではテーマパークの人造湖で男児がワニに引きずり込まれており、国内外を問わず「まさかこんなところに」という場所でも注意が必要だ。

■全国各地で被害

秋田県鹿角市の山林でクマに襲われたとみられる4人の遺体が相次ぎ見つかったことを受け、県警などは18日、現場周辺で巡回や検問を実施し、タケノコ採りなどに訪れた人へ入山自粛を呼び掛けた。現場は青森県境付近で、青森県警もチラシで注意を呼び掛けた。

鹿角市の山林では5月下旬以降、60~70代の男女4人が死亡しているのが見つかっている。いずれも傷の状況からクマに襲われた可能性が高い。地元猟友会が今月10日に現場周辺で射殺したクマの体内からは、人体の一部が見つかった。

クマ被害で入山自粛要請 秋田県警など、50人で巡回・検問(6月18日)

11日午後3時半ごろ、岐阜県飛騨市宮川町洞の山中にある池ケ原湿原で、同市の会社員男性(53)がクマに襲われ、顔や肩などにけがをした。命に別条はない。

飛騨署によると、男性は1人で観光のために入山し、成獣とみられるクマと遭遇。顔や肩、胸などを引っかかれたという。

岐阜でクマ被害、男性1人けが(6月12日)

■クマから身を守るには

クマの生態に詳しい東京農工大の小池伸介准教授によると、クマは警戒心が強く「あえてヒトに近づくことは少ない」という。山では熊鈴やラジオなど音が出るものを携帯し、離れた場所から人間の存在を知らせる必要がある。単独行動も避けた方がよい。

注意をしてもクマと遭遇する可能性は残る。小池准教授は「慌てず、後ずさりで徐々に距離を離して逃げることが大事」と指摘。大声を出したり、背中を向けて走ったりすると襲われる危険が高くなるという。万一襲われた場合、クマ撃退用スプレーも有効だ。

小池准教授は「東日本では近年生息域が急速に広がっている。山に行く時は警戒し、特に目撃情報や事故があった場所付近には行かないことが重要」と注意を呼び掛けている。

身を守るには 熊鈴やラジオ携帯、後ずさりで逃げる(6月11日)

■なぜクマが人間の生活域に

秋田県警によると、9日までに寄せられたクマの目撃情報は前年同期比99件増の215件。過去3年の平均と比べると倍以上のペースで、県警は目撃地周辺でパトカーで注意を呼びかけるなど被害の拡大防止に躍起だ。

秋田以外でも軒並み目撃が増えており、人的被害も相次いでいる。岩手県では4月以降、登山や山菜採りの最中に襲われた8人が負傷、うち6人は重傷を負った。山形県では渓流釣りの男性が襲われた。

大井徹・石川県立大教授(動物生態学)は「クマは4~5月ごろ冬眠から覚め、餌を求めて広範囲を移動する」と指摘。昨秋はドングリが豊作だったため「出産が多く個体数が増えた可能性がある」とみる。

クマ被害 東北で広がる 秋田、犠牲者4人に(6月11日)

■1月にも目撃情報相次ぐ

 昨年12月以降、本来なら冬眠期に入っているはずのツキノワグマが全国で相次いで目撃されている。暖冬の影響で、冬眠せずにエサを探して活動をしているクマが多いとみられる。今後も例年より気温が高い傾向が続くことが予想され、専門家は「冬眠しない個体がいる可能性がある。生息地域では注意が必要だ」と指摘している。

ツキノワグマは一般的に12月から翌年4月まで冬眠するとされる。だが今冬は各地で昨年12月以降も目撃が相次ぐ。福島県郡山市で今月4日、車を運転中だった女性が体長約1メートルのクマを見つけた。福井県では「民家の柿の木にクマがいる」「工事現場に現れた」など人間の生活域への出没が目立つという。

冬眠期のクマ、各地で目撃 暖冬で眠らずエサ探しか(1月14日)

■名古屋ではアリゲーターガー

名古屋城(名古屋市中区)の外堀で、体長1メートルを超す外来魚「アリゲーターガー」が悠々と泳ぐ姿がたびたび目撃されている。北米原産の肉食魚で、成長すれば最大で3メートルほどになるという。

市環境局「なごや生物多様性センター」の市民調査員、酒井正二郎さん(62)は今月初め、水面近くを泳ぐ姿を見かけ、撮影に成功した。市が最初に生息を確認したのは7年前で、「毎年少しずつ大きくなっている」(酒井さん)。

市環境局は幾度か捕獲を試みたが、「力が強く、網を食い破るので難しい」(担当者)。外堀には誰かが無断で放流したとみられ、担当者は「生態系に影響がでる。外来種を自然界に捨てないでほしい」と話す。

名古屋城の外堀に大型外来魚「アリゲーターガー」(6月16日)

名古屋城の外堀で目撃された外来魚「アリゲーターガー」(10日、名古屋市中区)=酒井正二郎さん提供

名古屋城の外堀で目撃された外来魚「アリゲーターガー」(10日、名古屋市中区)=酒井正二郎さん提供

■米国では人造湖にワニ

米フロリダ州オーランドのテーマパーク「ディズニーワールド」にある人造湖で、2歳の男児が家族の目の前でワニに引きずり込まれて行方不明になり、地元保安官は15日、男児を遺体で発見したと発表した。溺死とみられる。

AP通信などによると、男児は中西部ネブラスカ州から家族と共に旅行に来ていたレーン・グレーブズ君。14日夜、人造湖の水際で遊んでいたところ、体長約1~2メートルのワニに引きずり込まれた。両親や監視員が助けようとしたが、ワニと男児は水中に消えたという。

通報から約16時間後に遺体が発見された。現場には遊泳禁止を告げる看板があったが、ワニへの注意を呼び掛ける表示はなかった。

2歳児、ワニに襲われ死亡 米ディズニーワールド(6月16日)

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