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J1の観客数は世界で第6位

サッカージャーナリスト 大住良之

英国のサッカー専門誌『World Soccer』がことしの8月号で世界各国のクラブ別観客数ランキングを掲載している(表参照。「World Soccer」誌2009年8月号から)。2008/09シーズンのデータを集計したもので、トップはイングランドのマンチェスター・ユナイテッドで、1試合平均7万5304人。クラブ所有の「オールドトラフォード・スタジアム」の収容定員は7万6212人ということになっているから、実に「99.1%」もの稼働率ということになる。

それに次ぐのがレアル・マドリード(7万4895人)、バルセロナ(7万3913人)というスペインの「ビッグ2」で、以下、ボルシア・ドルトムント(ドイツ)などが続く。そして日本の浦和レッズが、1試合平均4万7609人で堂々第19位にランクされている(ただし日本はシーズンがヨーロッパとずれているので2008シーズンの記録)。この数字は、イングランドのリバプール(4万3611人=24位)、チェルシー(4万1588人=26位)などをしのぐもので、もちろんアジアでは1位。ヨーロッパ以外でも、ブラジルのフラメンゴ(4万0694人=29位)をしのいでナンバーワンということになる。

フランスまであと一歩

すでに数年前から、Jリーグの観客数は世界でも有数なものになっていた。

現在、世界のプロサッカーリーグで最も多くの観客を集めているのはドイツである。2006年のワールドカップに向けて建設あるいは大改修したスタジアムに、1試合平均4万人近くの観客を集めている。それに次ぐのがイングランドだが、キャパシティが小さなスタジアムが多いこともあって、ドイツに首位を譲っている。

Jリーグの調べによれば、3位スペイン、4位イタリア、そして5位フランスに次ぎ、日本のJリーグ(J1)は世界で第6位ということになる(グラフ参照、Jリーグ調べ)。

2008シーズンのJ1の平均観客数は1万9278人。あと一歩でフランス(2007/08シーズンの平均が2万1804人)に届こうとしている。そして「世界6位」の原動力になっているのが、浦和の4万7609人、世界で19位という数字なのだ。

浦和の観客が落ちている

ところが今季、浦和の観客数は減少傾向にある。今季、浦和は10試合のホームゲームを開催してきたが、その平均は4万4652人。昨シーズンの平均観客数と比較すると、94%にしかならない。10試合の内訳は、収容6万3700人の埼玉スタジアムが9試合、そして収容2万1500人の駒場スタジアムが1試合。スタンドが埋まった率は、ちょうど75%ということになる。

第12節、5月16日(土)のG大阪戦では、埼スタに5万3374人という今季最多の観客を集めた。しかし5万人を超えたのは、9試合のうち4試合だけ。最近は3試合連続4万人台が続いている。

仮に現時点と同じ1試合平均4万4652人でシーズンを終了すると、「世界ランキング」は22位まで落ちることになる。

「伸び率最高」は大宮

J1全体を見ると、第20節まで終了した今季180試合の総観客数は344万5714人。1試合平均にすると1万9143人。昨年の1万9278人にほぼ近い数字(99%)。J2から初めて昇格を果たしたモンテディオ山形が、昨年(J2)の6273人から1万3027人へと、「208%」の数字を示している。もうひとつの昇格チーム、サンフレッチェ広島も、昨年の1万0840人から1万4721人へと「136%」と、「J1効果」を見せている。

18クラブ中14クラブが、昨年比プラスまたはマイナス10%以内にあるなかで、注目されるのが大宮アルディージャで、昨年の1万0714人から1万5594人へと、「146%」になった。一昨年の大改装が終わった「ナック5スタジアム」をベースにした地域浸透の取り組みが成果を上げてきた結果ではないか。

一方、昨年の1万6555人から1万0532人(77%)へと大きく落ち込んでいるのが京都。第12節の千葉戦(5月17日)では、5567人という今季J1の最少観客記録をつくってしまった。5月17日の京都は雨。スタンドの一部にしか屋根のない西京極競技場は、天気の影響を受けやすいのだ。

順位争いも予断を許さないが…

Jリーグ選抜が韓国のKリーグ選抜と対戦した「JOMOカップ」(8月8日、韓国・仁川、4-1でJリーグ選抜が勝利)を経て、J1は「残り14節」の決戦にはいる。

首位鹿島アントラーズが2位川崎フロンターレに勝ち点で8もの差をつけて独走状態にあるが、その鹿島もここ3試合で2分け1敗と勝利から見放され、また、主力がJOMOカップに参加したこともあって、疲労の蓄積が懸念される。

川崎も9月にはAFCチャンピオンズリーグの準々決勝2試合(相手は名古屋グランパス)がはいっており、勝ち上がれば10月には準決勝の2試合を戦わなければならない。3位アルビレックス新潟、4位浦和を含め、優勝争いは最後までもつれる可能性がある。

下位3チームが自動降格になる「残留争い」も、大分トリニータが絶大の信頼を誇ってきたシャムスカ監督を解任して思い切った巻き返しに出るなど、風雲急を告げている。こちらも最後までもつれそうだ。

悪天候も吹き飛ばせ

そうした順位争いとともに、今季の観客数がどのように動くのか、私は大きな興味をもっている。どのクラブも、少しでも観客数を増やそうと、観戦環境の改善や観客サービスに心を砕いている。そうやって努力し続けてきた結果が、現在の「世界6位、世界19位」という順位なのに違いない。

5月17日の京都の例でもわかるように、観客数は天候に大きく左右され、ことしの前半は恵まれたとはいえなかった。これから夏休みの期間、さらに秋から冬にかけて続くシーズンのなかで、天候はどうJリーグに影響するだろうか。そして仮に天候に恵まれなくても、それを吹き飛ばしてスタジアムに人を引きつけるような魅力ある試合を、激しい優勝や順位争いを、Jリーグは展開できるだろうか。

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