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日本サッカー世界への挑戦

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年明けの東アジア選手権で「最後の見極め」
サッカージャーナリスト 大住良之

2009/9/24 7:00 (2009/9/24 7:02更新)
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来年6月の「FIFAワールドカップ2010南アフリカ」を目指した日本代表の強化スケジュールが着々と固まってきている。10月には香港を迎えてのアジアカップ予選(8日、日本平)に続き、スコットランド(10日、日産)、トーゴ(14日、宮城)と国内で親善試合。11月には南アフリカ(14日、会場未定)との親善試合と香港とのアジアカップ予選(18日、香港)。ことし中に5試合もこなすことになる。そして年が明けると、2月に東京で開催される東アジア選手権2010に出場する。

まだ優勝がない日本

東アジア選手権は日本、韓国など10のサッカー協会で構成される「東アジアサッカー連盟(EAFF)」の公式選手権大会だ。03年から始まり、基本的に2年に1度の開催。日本、韓国、中国がシードされ、その他の加盟協会から予選を通じて1チームが選ばれ、4チームで決勝大会を行う。決勝大会は1回戦総当たりのリーグ戦形式なので、各チームが3試合を戦い、約1週間で全日程をこなす。

03年12月に日本で第1回大会が開催され、05年8月には韓国で、そして08年2月には中国で決勝大会が開催された。優勝はそれぞれ韓国、中国、韓国。日本は、ジーコ監督が率いた03年と05年大会、そして岡田武史監督が就任して間もない08年大会と3大会連続して2位で、まだ優勝がない。

中国、香港、韓国と対戦

第4回大会となる10年は再び日本がホスト国となり、2月6日から同月14日まで開催される。会場はいずれも東京で、味の素スタジアムと国立競技場。岡田監督率いる日本代表は6日に味の素スタジアムで中国代表と大会初戦を戦うが、日本代表がこのスタジアムでプレーするのは初めてのことだ。

試合は翌日の7日に国立競技場で韓国-香港、10日に味の素スタジアムで中国-韓国、11日に国立競技場で日本-香港、最終日の14日)には国立競技場で香港-中国、日本-韓国のダブルヘッダーという日程になっている。

予選では「日本人監督対決」も

大会の予選は2段階に分けて行われ、ことし3月にグアムで予選ラウンド、そして8月にチャイニーズタイペイ(台湾)で準決勝ラウンドが開催された。

予選ラウンドにはグアム、マカオ、モンゴル、そして北マリアナ諸島の4チームが参加。グアムが2勝1分けで優勝して、準決勝ラウンド進出を決めた。グアム代表を率いるのは日本人の築館範男監督。この予選ラウンド4チームにはもうひとり日本人監督がいた。北マリアナ諸島の神戸清雄監督だ。3月13日、日本人監督がそれぞれ外国の代表チームを率いて対戦する試合が史上初めて実現した。

波乱、準決勝ラウンドで北朝鮮が敗退

8月の準決勝ラウンドには予選ラウンドから勝ち上がったグアムのほか、チャイニーズタイペイ、香港、そしてワールドカップのアジア最終予選を勝ち抜いて実に44年ぶりのワールドカップ出場を決めたばかりの北朝鮮が参加した。

当然、北朝鮮が圧倒的な力で決勝大会のチケットを手にするだろうと考えられていた。だが、結果は意外だった。初戦、北朝鮮はグアムを9-2で下した。しかし、格下のグアムに先制点を許したことが北朝鮮にとって暗雲の予兆だった。地元チャイニーズタイペイを4-0で下した香港との事実上の優勝決定戦、北朝鮮は日本から川崎フロンターレのFW鄭大世を呼び寄せて必勝を期したが、ゴールを割ることはできずに0-0で引き分けた。

準決勝ラウンド最終日、第1試合で香港がグアムを12-0で下すと、北朝鮮は地元チャイニーズタイペイを相手に9-0以上の勝利が必要になった。しかし、チャイニーズタイペイの守備は固く、辛うじて勝ったものの得点は2-1だった。この結果、香港が03年の第1回大会以来3大会ぶりに決勝大会への切符を手にしたのである。

「ヨーロッパ組」の招集は困難だが…

来年になると、代表強化の日程を取るのが非常に難しくなる。FIFAの定める「インターナショナル・マッチデー」が、3月3日の1日しかないからだ。しかもこの1日は「フレンドリーマッチデー」でクラブの選手放出義務は48時間前。集まって試合をして、すぐに解散という程度しか時間をとることができない。このため、ヨーロッパのクラブに在籍する選手たちがワールドカップに向けて本格的に合流できるのは5月中旬以降、まさに最終準備の期間だけとなる。

当然、2月に開催される東アジア選手権にはヨーロッパのクラブに所属する選手を呼ぶことができず、「国内組」だけでの試合となる可能性が高い。岡田監督はワールドカップへ向けた国内組の「最後の見極め」にこの大会を使うことになるだろう。

初優勝を狙え

過去3大会、日本代表の成績は9戦して4勝4分け1敗。韓国には1勝2分け、中国には2勝1分けと負けたことはない。そして香港とは1回対戦しただけだが、1-0で勝っている。唯一、1分け1敗と分が悪かった北朝鮮が今回は出場しない。

「ヨーロッパ組」が合流できないという状況は、韓国も中国も同じだ。2月はオフ明けで厳しい時期だが、ワールドカップに向けた意欲を前面に押し出し、初優勝を狙ってほしい。

女子の東アジア選手権も同時開催

東アジア選手権には世界に例を見ない趣向がある。女子選手権が同時開催され、2ラウンド目までは、女子と男子の試合が同じ会場で続けて開催されるのだ。すなわち、2月6日の開幕日、味の素スタジアムでは午後4時半キックオフで女子の日本-中国が行われ、引き続き午後7時15分に男子の日本-中国がキックオフされる。

こうした形は05年の韓国大会で初めて採用され、このときには非公式の「東アジア女子大会」として開催されたが、08年の中国大会では予選も行われて公式の「東アジア女子選手権」となった。日本の女子代表「なでしこジャパン」は08年中国大会で3戦全勝して初優勝を飾り、その自信が8月の北京オリンピックでの4位につながった。

今回、女子の予選は、5チームが集まって男子の準決勝ラウンドとともに8月にチャイニーズタイペイで開催され、韓国が4戦全勝、得点41、失点0という圧倒的な強さで決勝大会に進んだ。決勝大会へのシードは日本、北朝鮮、そして中国。08年大会では男女とも同じ4カ国だったが、今回は男子に香港が入り、北朝鮮は女子だけの出場となった。

2月といえば、日本は最も寒さが厳しい時期。しかしワールドカップを見据え、東アジアの強豪との対戦は見どころの多いものになるに違いない。11年の女子ワールドカップ(ドイツ)、12年のロンドン・オリンピックに向けて新態勢に入る「なでしこジャパン」の成長ぶりを見るのも非常に楽しみだ。

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