仮想通貨にお墨付き 広がるビジネスチャンス

2016/5/26 18:00
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0.001ビットコインの価値を持つプラスチック製の「コイン」

0.001ビットコインの価値を持つプラスチック製の「コイン」

 ビットコインなど仮想通貨に対する規制を盛り込んだ改正資金決済法が25日、成立した。仮想通貨の悪用防止や利用者保護のため、取引所に登録制を導入するほか、口座開設時の本人確認も義務づける。仮想通貨が現金やクレジットカードと並ぶ支払い手段として日本でも公式に認められたことになる。

■仮想通貨とは

円やドルのように国が法律で定めた通貨ではないが、ネット上の取引に利用される「お金」のようなもの。国境に縛られずに取引でき、格安の手数料で海外送金できるなどの利点がある一方、テロや犯罪の資金に使われやすいといった問題も指摘されている。ドルなど通常の通貨とは専門の取引所で交換して利用するが、取引価格が変動するため投機の対象にもなっている。

ビットコイン普及に向け「国内ルールの策定が不可欠」(5月9日)

仮想通貨は中央銀行などの公的発行主体や管理者を持たないのが特徴で、インターネット上で取引する。600種類以上存在し、専門の取引所で円やドルなどと交換する。

仮想通貨に規制の網 改正資金決済法成立(5月25日)

代表的なビットコインは昨年11月時点で時価総額が7000億円を超えた。投資だけでなく、安価な決済手段として期待される一方で、各国の金融当局が資金洗浄対策などから法規制に乗りだしている。

仮想通貨を「貨幣」認定 金融庁、法改正で決済手段に(2月24日)

■改正資金決済法

改正法では仮想通貨の取引所に登録制を導入するほか、口座開設時の本人確認も義務づける。さらに取引所には顧客の資産と自己資産を分ける「分別管理」も求める。

これまで仮想通貨を公的な決済手段と位置づける法規制はなかった。

仮想通貨に規制の網 改正資金決済法成立(5月25日)

代表的な仮想通貨のビットコインは発行者がいないので、電子マネーのように供託金を預けるといった発行者に対する規制はできない。規制当局には未知の世界で、出入り口になる取引所を規制することで流れを捕捉しようとしたのが、今回の規制案だ。

ビットコイン普及に向け「国内ルールの策定が不可欠」(5月9日)

仮想通貨を事実上の「貨幣」として認め、金融庁がビットコインをはじめとする仮想通貨の監督省庁となる。今まではビットコインなど仮想通貨の法的な位置づけははっきりしない部分があったが、その状況が大きく変わる。ビットコインなど仮想通貨やブロックチェーン技術のビジネスに取り組む人々の間では歓迎の声が広がっている。

仮想通貨、「貨幣」認定へ ビットコインに出直し機運(3月1日)

仮想通貨は「貨幣」になるのか。「そうではない。改正案を読むと仮想通貨を『貨幣』と明記しているわけではなく、『財産的価値』としか示していない。同じように財産的価値にあたるJR東日本の『Suica(スイカ)』などの電子マネーや(楽天スーパーポイントなど買い物をしたときにもらえる)ポイントも貨幣ではない。仮想通貨はそれと同じ扱いになると考えた方がよい」

「銀行は、取り扱うことができる業務範囲が銀行法により定まっていて、それ以外の業務を行うことができない。仮想通貨は貨幣になるわけではないので、今後も引き続き、銀行は仮想通貨を取り扱いできない。つまり仮想通貨の売買の仲介や仮想通貨と本来の通貨との交換、仮想通貨を預る口座の開設などができない」

仮想通貨は本物の貨幣になるか 増島弁護士に聞く(3月7日)

世界最大の仮想通貨市場である米国ではビットコインがスーパーやガソリン給油所などに浸透しつつあるが、テロ資金流入などへの警戒も強まっている。昨年11月のパリ同時テロでは、過激派組織「イスラム国」の実行犯が最大約1560万ドル(約19億円)の資金をビットコインなど仮想通貨で蓄財していたと報じられ、世界に衝撃を広げた。

ビットコインで生きる 仮想通貨・光と影(ルポ迫真)(5月17日)

規制の狙いの一つはマネーロンダリング(資金洗浄)対策だ。法律を作らないと北朝鮮など資金洗浄やテロ資金への対策が甘い国が名を連ねる「ブラックリスト」に入る危険があった。

ビットコイン普及に向け「国内ルールの策定が不可欠」(5月9日)

■ビットコインの「神」

「ビットコインの神」の異名をとるバー。2011年2月に米国のラジオからビットコインの情報を耳にした時の興奮を忘れない。政府など公的管理主体を持たず、利用者がインターネット上で取引を相互監視する。「金融のルールが変わる」。2万5000ドル(約200万円)を投じてビットコインを購入した。

当時1ビットコイン=約1ドルだった価格は現在は同450ドルと400倍超。早くから価値に着目して富を築き、知人らは「100億円稼いだ男」と羨望のまなざしだ。

ビットコインで生きる 仮想通貨・光と影(ルポ迫真)(5月17日)

2009年に誕生したビットコインは仮想通貨の約9割を占め、世界の利用者が約1200万人に広がった。海外送金の手数料が既存の銀行より安い点などが支持されている。

ビットコイン、「貨幣」に認定 法規制案を閣議決定(3月4日)

「偶然も重なり、勝者がすべてを得る「ウイナー・テイクス・オール」の法則が働いた。仮想通貨でも、インターネットと同様に参加者が多いほど価値が高まる。ビットコインのように分散型で参加者が多いものは、もう一度作ろうとすると大変だ」

「ビットコインは4年に1度、システムの維持に欠かせない採掘で得られる報酬が半減する。直近では7月が半減する時期だ。この機会に採掘から手を引く人が多くなるとシステムを維持できなくなる」

ビットコイン普及に向け「国内ルールの策定が不可欠」(5月9日)

■法規制でビジネスやりやすく

「法規制はないよりあったほうが絶対によい。ないと事業者はやりたい放題になり、悪貨が良貨を駆逐するように品質の担保ができなくなる」

「特に増えそうなのがビットコインを使ったデリバティブ取引だ。通貨の売買で差益を得る外国為替証拠金(FX)取引のように、通貨とビットコインを売買するもので、FX取引を手掛ける業者が二匹目のどじょうを狙おうと関心を示している」

仮想通貨は本物の貨幣になるか 増島弁護士に聞く(3月7日)

「(日本に法規制がないと)金融ビジネスやサービスに関する米国の規制が適用される可能性があり、そうなると日本企業が米国でビジネスをするのに膨大な費用が必要になる」

「国際的に認められたルールができれば、日本国内のルールを守っていれば、米国でも安心してビジネスができる」

ビットコイン普及に向け「国内ルールの策定が不可欠」(5月9日)

4月14日午前、東京都港区内のホテルで開かれた国際スワップデリバティブ協会の年次総会。外国人の金融関係者ら200人弱を前に、三菱UFJフィナンシャル・グループ社長の平野信行(64)は英語で力説した。「マウントゴックス事件でビットコインにはうさん臭いイメージができたが、その技術は我々銀行にも変革をもたらす」

ビットコインで生きる 仮想通貨・光と影(ルポ迫真)(5月17日)

金利を取られかねない円より、便利で値上がりするかもしれないビットコイン──。日銀がマイナス金利を導入した2月以降、仮想通貨のビットコインを個人向けに売買するビットフライヤー(東京・港)には「円売り・ビットコイン買い」の注文が相次ぐ。

2014年2月、当時ビットコインの世界最大の取引所だったマウントゴックス(東京・渋谷)が経営破綻し、日本での仮想通貨ブームは一時下火になった。だが破綻から2年余りがたち、着実に復権。ビットコインで支払いできる国内の店舗は飲食店から美容室や語学教室、歯科医院まで1000店以上に広がり、投資マネーも流れ込む。

見えない通貨 広がる ビットコイン・ポイント…「お金」変えた(5月10日)

国内でもビットコインの売買は増えており、主要取引所を通じた2015年度の取引規模は1800億円超で前年度の約25倍に膨らんだ。

仮想通貨に規制の網 改正資金決済法成立(5月25日)

■使い勝手は?

ビットコインを手に入れるには、仮想通貨と現金を交換する取引所で電子財布「ウォレット」を作る必要がある。主な取引所は国内に7社。各社のサイトで名前やメールアドレスなどを登録し、10分ほどで手続きが終わる。クレジットカードを仮想通貨との交換に使えば、その日にビットコインが手に入る。銀行窓口での手続きのように印鑑や書類も必要ない。

ビットコイン、手に入れるには 「電子財布」作成、10分で(5月2日)

日本でビットコインが使える店は約1千店。25万店以上の電子マネーSuica(スイカ)とは比べ物にならない。なぜお店は使うのか。銀座沼津港の長浜賢店長は「クレジットカードよりも手数料が安い。利用者が多い外国人にもアピールできる」と説明する。

ポイントは無国籍通貨であることだ。使えるお店さえあれば、自国通貨を現地通貨に両替しなくても海外で買い物ができる。海外への送金手数料もほぼ無料に近く、数千円の手数料がかかる銀行よりも有利だ。海外との取引が多かったり、複数の通貨で収入を得たりしている人には利点が見込める。

通貨の信認が低い新興国などでは別の役割もある。通貨の信認が高い日本などの先進国ではあまり感じられないが、政情不安やハイパーインフレなどで通貨の価値が乱高下する懸念がある国では自国通貨をビットコインに換えて保管しておいた方が安心だという見方もある。実際、ある調査ではビットコインの取引の約8割が中国の人民元建てだったという。

使える?ビットコイン 金融商品に近く、普及は途上(5月2日)

ビットコインは都内の回転すし店でも使える(東京都中央区)

ビットコインは都内の回転すし店でも使える(東京都中央区)

■揺らぐ「法定通貨」

無料対話アプリのLINE(東京・渋谷)のスマートフォン(スマホ)ゲームで使う一部のアイテムについて、関東財務局が資金決済法上の「通貨」にあたると認定したことが18日分かった。LINEはかねて不要と判断していた供託金を金融機関を介して準備する。どこまでが供託金の対象なのかという明確な基準が見えず、LINEは戸惑いを隠せないでいる。

「通貨どこまで」LINE困惑 ゲーム内アイテム、当局が認定(5月19日)

GMOメディアは仮想通貨「ビットコイン」でオンラインゲームの有料アイテムを購入できるようにする。パソコンで遊ぶゲームを集めたプラットホーム「ゲソてん」の決済手段にビットコインを追加する。決済手段を増やしてゲームを遊びやすくする。クレジットカードなどに比べて決済手数料が安いビットコインが普及すれば、収益増につながるとみている。

GMOメディア、ビットコインでゲーム決済(3月15日)

新たな通貨として広がるのは仮想通貨に限らない。最近存在感を増すのは買い物などでたまるポイントだ。日本国内の発行額は年1兆円規模に拡大した。

「目指すは真のキャッシュレス社会」。無料対話アプリ、LINE(東京・渋谷)の舛田淳取締役は3月、複数の企業で使える共通ポイントサービスへの参入をぶち上げた。最大の売りは1ポイント=1円で同社の電子マネーに換金できること。ポイント情報サイト、ポイ探を運営する菊地崇仁代表は「オマケだったポイントが今や現金と変わらぬ存在になった」と指摘する。

仮想通貨とポイントには電子的に処理できるという共通点がある。「需要は予想以上だ」。ポイントをビットコインに交換するサービスを2月に始めたライフカード(東京・港)の山崎昇氏は、両者の垣根が崩れつつあると指摘する。

新たな“通貨”はなぜ人々をひき付けるのか。早大大学院の岩村充教授は「既存の通貨が自滅への道を歩んでいることが背景」と分析する。日銀や欧州中央銀行(ECB)は量的緩和やマイナス金利で自ら通貨の価値を損なっているというわけだ。

見えない通貨 広がる ビットコイン・ポイント…「お金」変えた(5月10日)

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