フィリピン次期大統領、ドゥテルテ氏どんな人

2016/5/13 18:00
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ロドリゴ・ドゥテルテ氏。現職のアキノ大統領が任期を終える6月末に新大統領となる運びだ

ロドリゴ・ドゥテルテ氏。現職のアキノ大統領が任期を終える6月末に新大統領となる運びだ

フィリピンの大統領選でロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)が勝利した。南部ミンダナオ島のダバオ市長として、超法規的なやり方で治安を改善した実績を誇るドゥテルテ氏。そこに強いリーダーシップを見いだし、変革への期待を託した有権者が多かったようだ。選挙戦で過激な発言を連発し、「フィリピンのトランプ氏」とも呼ばれた次期大統領は、どんな人物なのだろうか。

地元のダバオ市で、リラックスした様子で記者の質問に答えるドゥテルテ氏(9日)=写真 小谷裕美

地元のダバオ市で、リラックスした様子で記者の質問に答えるドゥテルテ氏(9日)=写真 小谷裕美

■市長が「暗殺団」指揮?

南部ミンダナオ島のダバオ市で検事を務め、1988年に同市長に就いた。市長は3選までという規定のため、娘を市長にした時期もあるが、事実上の長期政権が続く。
フィリピン版「トランプ人気」 革命30年の不信映す(4月18日)
ダバオには司法手続きを介さず犯罪者を殺害する「暗殺団」が存在する。麻薬ディーラーなどの命を超法規的に奪う組織で、ドゥテルテ氏が指揮するとされるが真相は不明。
異端の市長、不満吸い込む 比大統領選勝利のドゥテルテ氏(5月10日)
「犯罪者は法の範囲内で殺害する」「私が大統領になれば、血を見る機会が増える」などの発言がある。「犯罪バスター」の異名を持つ
フィリピン版「トランプ人気」 革命30年の不信映す(4月18日)
選挙戦の討論会に集まったドゥテルテ氏の支持者ら。経済成長のなかで、市民の間で格差が拡大したことへの不満を持つ人も多かったとされる

選挙戦の討論会に集まったドゥテルテ氏の支持者ら。経済成長のなかで、市民の間で格差が拡大したことへの不満を持つ人も多かったとされる

■過激発言で物議 トランプ氏に似る?

ドゥテルテ氏はその過激な発言から、米大統領選と絡め「フィリピンのトランプ氏」と呼ばれることも。オーストラリア人女性がレイプの末に殺害されたことをジョークの種にし、同国や米国の大使から非難されたが、ドゥテルテ氏は「黙れ、両国と関係を切ってもいい」と切り捨てた。

異端の市長、不満吸い込む 比大統領選勝利のドゥテルテ氏(5月10日)

9日に行われた投票の様子(マニラ市の投票所)=写真 小谷裕美

9日に行われた投票の様子(マニラ市の投票所)=写真 小谷裕美

■庶民派の顔…実はエリート

選挙戦の終盤にかけて急速に支持層を広げたのは、エリート政治家にはない庶民的なイメージを前面に出す戦略に成功したからだ。常にジーパン、カジュアルシャツ姿。長袖は腕まくりし、襟をだらしなくはだける。
だが同氏自身も実はエリートだ。父は知事、母は教師の家庭に育った。
庶民派…実はエリート 自身に蓄財疑惑も(5月11日)

■政策はまだ… 対中外交に注目

当選を決めたものの、その政策はいまだに明確とはいえない。

ドゥテルテ氏は、威勢のいい言葉とは裏腹に、選挙戦では経済政策の具体案にほとんど触れなかった。
ドゥテルテ氏、出稼ぎ中間層が支持(5月13日)
7日、首都マニラで支持を呼びかけたドゥテルテ氏。政策の詳細については多くを語ってこなかった=写真 小谷裕美

7日、首都マニラで支持を呼びかけたドゥテルテ氏。政策の詳細については多くを語ってこなかった=写真 小谷裕美

そんななかで国際的に注目されたのが、中国を巡る発言だ。フィリピンは海上航路の要衝である南シナ海で中国と領有権を巡って争っており、海洋安全保障の上で重要な位置にあるからだ。

「祖父が中国人だから中国と戦争しない」と述べ、中国との対話の重要性や南シナ海での共同資源探査の可能性を示唆するなど、一見すると中国寄りの姿勢が注目された。だが「(中国と領有権を争う)スカボロー礁に行って旗を立てる」とも発言。「南シナ海問題は多国間で協議する」との見解は、あくまで二国間問題として米国などの介入を排除しようとする中国と相いれない。融和か強硬か、現時点で対中姿勢は見通しにくい。

安保・経済、波乱の芽 比大統領にドゥテルテ氏(5月10日)

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