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オバマ大統領が広島へ 決定の舞台裏

米国のオバマ大統領が27日に広島を訪問することが決まった。現職の大統領として初めての被爆地訪問を通じ、自らが掲げる「核兵器なき世界」の実現を訴える考えだ。米ホワイトハウスが「歴史的」と評する今回の訪問を決めたのは任期の最終年を迎えたオバマ氏自身の思いと、それを後押ししたケリー国務長官やケネディ駐日米大使らの進言だったようだ。

原爆資料館見学へ 献花も

オバマ氏は広島平和記念資料館(原爆資料館)を見学し、慰霊碑に献花する計画だ。
安倍晋三首相とともに声明を読み上げる案を検討しており、同じ被爆地の長崎にも言及する。
声明では「核兵器なき世界」に取り組む決意を再確認し、戦後の日米同盟構築の道のりを訴える。
オバマ氏は声明で、細心の注意を払いながら核軍縮や核廃絶、アジアの安定を呼びかける方針だ。
オバマ氏、広島で首相と声明検討 米報道官「演説ない」(5月12日)
広島市中区にある平和記念公園。奥に原爆ドームが見える

広島滞在は3時間? 被爆者との面会は?

そもそもオバマ氏の来日は26、27の両日に開く主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせたもの。日程のやりくりはなかなか大変そうだ。

カメラ映えする日没前に予定を詰めこみ「滞在は長くて3時間ほど」との見方がある。
サミット日程、前倒し オバマ氏の広島訪問受け(5月12日)

地元である広島には被爆者との面会に期待する声があるが、実現するかどうかはまだ分かっていない。

決断、2人が後押し

主導したのはケリー国務長官と元大統領の長女、ケネディ駐日米大使のラインだ。4月10、11両日に広島で開いた主要7カ国(G7)外相会合に合わせて平和記念資料館(原爆資料館)などを訪れたケリー氏はワシントンに戻ると、すぐにオバマ氏に広島行きを求めた。
原爆慰霊碑に献花する各国の外相ら。左から3人目がケリー米国務長官(4月11日、広島市中区)=代表撮影
広島平和記念資料館を訪れて「gut-wrenching(はらわたがえぐられるようだった)」と感じたケリー氏の進言は効果的だった。
オバマ氏側が注目していたケリー氏の広島訪問後の米世論の目立った反発もなかった。米有力紙のワシントン・ポストとニューヨーク・タイムズが社説でオバマ氏の広島訪問の支持を打ち出した。米主要メディアでも賛成の立場を表明する元高官や識者の談話が載った。オバマ氏は自信を深めた。
オバマ氏、決断は20日前 広島訪問決定の舞台裏(5月12日)
2015年8月6日、広島市の平和記念公園で開かれた平和記念式典に参列したケネディ駐日米大使(左)=共同

「核兵器なき世界」への道は…

オバマ米大統領は広島訪問で「核兵器なき世界」の実現を改めて訴える考えだが、核軍縮は想定通りに進んでいない。世界に1万5千発あまりある核弾頭のうち、9割超を保有する米ロの削減交渉が暗礁に乗り上げているためだ。
就任直後、「米国は原爆投下の道義的な責任がある」と語ったオバマ氏。任期最終盤の広島訪問を核廃絶に向けた取り組みの総決算としたい考えだが、現実は厳しい。
オバマ氏広島訪問 「核なき世界」なお遠く(5月12日)

オバマ氏の広島での声明を機に、国際社会で核軍縮の機運は高まるのだろうか。

平和記念公園の原爆ドーム(10日夜)
2015年11月に会談した安倍首相とオバマ米大統領。広島では、世界に向けてどんなメッセージを送るのだろうか=共同

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