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東大と理研、狙った物性を示す物質を自動設計する理論手法を開発

発表日:2023年03月01日

狙った物性を示す物質を自動設計する理論手法を開発

——ホールセンサーや太陽光発電の性能向上に応用——

1. 発表者 :

乾 幸地(理化学研究所 量子コンピュータ研究センター 量子計算理論研究チーム特別研究員)

求 幸年(東京大学 大学院工学系研究科物理工学専攻 教授)

2. 発表のポイント :

◆欲しい物性から物質を探索する逆問題に対する新しい理論手法を開発しました。

◆ニューラルネットワークなどで用いられる自動微分を応用することで、人の手に頼らない自動的な物質設計を可能にしました。

◆経験や勘に基づく従来の物質設計を超えて、新物質や未知の指導原理を発見することが期待されます。

3. 発表概要 :

東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻の乾幸地大学院研究生(研究当時)と求幸年教授は、目的の物性値が最適な値となる物質を見つける逆問題(注1)において、ニューラルネットワークで用いられる自動微分(注2)を応用することで、最適なモデルを自動的に設計する新しい理論手法を開発しました。機械学習の一つであるニューラルネットワークでは、与えられたデータを再現するように、大量の変数の最適化を自動微分と呼ばれるアルゴリズムの一種である誤差逆伝播法(注3)を用いて行います。この自動微分は、ニューラルネットワークに限らず幅広い計算に応用することが可能です。本手法では、注目する物性値が最適となるように、モデル中に仕込んだ大量の変数を自動微分を用いて最適化することによって新しいモデルを自動的に構築します。これを適用することで、巨大な量子異常ホール効果(注4)を示す新しいモデルや、太陽光によって大きな起電力が生じるモデルが自動的に得られることを実証しました。この新手法は、汎用性が高い上に広範な変数空間における自動探索が可能なため、経験や勘に基づく従来の物質設計の枠を超え、未知の物質や指導原理の発見に寄与することが期待されます。

本研究成果は、2023年3月1日(英国時間)に英国科学雑誌「Communications Physics」のオンライン版に掲載されます。また、本研究に関連した特許を出願中です。

本研究は、JSPS科研費 新学術領域研究「量子液晶の物性科学」(グラント番号:JP19H05825)、JSPS科研費(グラント番号:20H00122)、JST CREST(グラント番号:JPMJCR18T2)の支援を受けたものです。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach/650216/01_202302281541.pdf

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