東北大・北大・東大・産総研、氷と水の界面に通常の水より低密度な水を発見
発表日:2022年05月12日
水/氷の界面に2種目の"未知の水"を発見!
水の異常物性を説明する"2種類の水"仮説の検証に新たな道
【発表のポイント】
・氷と水の界面に、通常の水より低密度な水を発見
・密度の異なる2種類の未知の水の流れやすさの測定に成功
・水の異常物性の解明と水の関わる多くの分野に影響を与える画期的な成果
【概要】
水は、ありふれた存在ですが、特異な物性を示す奇妙な液体であり、多くの自然現象を支配しています。
東北大学多元物質科学研究所の新家寛正助教、北海道大学低温科学研究所の木村勇気准教授、東京大学大学院総合文化研究科 広域科学専攻/附属先進科学研究機構の羽馬哲也准教授と産業技術総合研究所環境創生研究部門の灘浩樹研究グループ長を中心とする研究グループは2年前、水と高圧氷(注1)との界面にできる、通常の水と混ざり合わない高密度な未知の水(高密度水)を発見しています(※)。今回、一般的に知られている氷(氷Ih(注1))と水の界面に低密度な未知の水(低密度水)ができることを新たに発見しました。高密度水を1種目とすると今回発見した低密度水は2種目の未知の水となります。さらに、この2種類の未知の水の流れやすさを示す物性値(表面張力と粘性の比で表される特徴的速度)を決定することに世界で初めて成功しました。
この成果は、長年にわたる大きな謎である水の特異な物性を説明するために提唱された、"構造の異なる2種類の水が存在する"とする仮説の検証に道を拓くものです。本成果は、アメリカ化学会が発行するThe Journal of Physical Chemistry Letters誌に5月11日(水)付でオンライン掲載予定です。
*以下は添付リリースを参照
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添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/631894/01_202205101450.pdf