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東大、キラルルイス酸触媒を溶媒と共に回収し活性を保持したまま繰り返し再使用することに成功

発表日:2022年04月25日

「キラル触媒と溶媒を繰り返し使用可能な不斉合成技術:

水溶媒による環境負荷低減とエネルギー消費量の削減を実現」

1.発表者:

小林 修(東京大学大学院理学系研究科化学専攻 教授)

北之園 拓(東京大学大学院理学系研究科化学専攻 助教)

2.発表のポイント:

◆触媒的不斉合成(注1)に広く用いられるキラルルイス酸触媒(注2)を溶媒と共に回収し、活性を保持したまま繰り返し再使用することに成功した。

◆加水分解による触媒失活が起こり易い3種類の水中有機反応(注3)において実証することで、触媒の頑強性が実用水準にあることを示した。

◆本技術は、活性を保持した状態での触媒の再使用を可能にするのみならず、溶媒ごと回収することによって蒸溜操作など後処理が不要となり、エネルギー消費量の削減に寄与することができる。

3.発表概要:

医薬品や化成品などの迅速合成を可能にする不斉触媒はグリーンケミストリーを実践する鍵であり、カーボンニュートラル実現に向けて、溶媒の留去などのエネルギー消費や廃棄物を伴わない資源循環型プロセスを理想とする。今回、東京大学大学院理学系研究科の小林 修教授、北之園拓助教らのグループは、反応媒体として水を用いることで、触媒と水を繰り返し使用可能にする廃棄物フリーの不斉合成技術を開発した。

高活性なキラルルイス酸は、有機化合物や水分子などに含まれる酸素、窒素、硫黄原子などのルイス塩基と反応することで反応中に失活が進み、反応後も活性を維持することが困難であった。特に反応溶液の繰り返し使用に伴う不純物の蓄積はキラルルイス酸の活性維持において致命的であり、最も困難な課題であった。

本手法では、キラルスカンジウム錯体をポリスチレン骨格に固定化し、遠心分離操作のみで生成物、触媒、水を分離可能にした。メソエポキシドの不斉開環反応では触媒と水を10回再使用することができ、多くの医薬品に見られるキラル 1,2-アミノアルコールを効率的に得ることに成功した。また、チオールの不斉 1,4-付加反応、ホルマリンを用いる不斉向山アルドール反応にも応用することができた。

本研究成果は、独国化学会誌「Angewandte Chemie」および「Angewandte Chemie International Edition」のオンライン速報版で4月27日(水)午前0時に公開予定である。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach/631210/01_202204251522.pdf

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