京セラの22年4~9月、純利益3%増 円安が下支え

京セラが31日発表した2022年4~9月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比3%増の755億円だった。税引き前利益ベースで為替の円安が260億円の押し上げ要因となったほか、半導体関連のセラミック部品が好調だった。一方で携帯電話端末などの販売が落ち込み、23年3月期通期の業績見通しは従来予想を据え置いた。
4~9月期の売上高は16%増の1兆121億円、営業利益は1%増の764億円だった。期間中の平均為替レートが1ドル=134円と前年同期に比べて24円円安になったことで、売上高ベースでは約1030億円の押し上げ要因となった。
一方で売上高の約5割を占める、携帯電話端末などソリューション事業は事業利益が29%減の256億円だった。携帯端末は前期にKDDIの第3世代(3G)携帯電話のサービス終了に伴う買い替え需要があり、反動で減益幅が大きくなった。谷本秀夫社長は「消費者の買い替えサイクルが長くなり回復の兆しが見えない」とした。
23年3月期通期は売上高で前期比9%増の2兆円、純利益で4%増の1540億円を見込む従来予想を据え置いた。半導体市況は旧世代品やメモリーを中心に減速懸念が出ている。もっとも谷本社長は「演算用のロジック半導体など微細加工が必要な先端品関連の部品はそれほど受注が落ちていない」とし、鹿児島県の主力工場などで増設投資を続ける考えを示した。