岩谷産業、バイオマスで水素製造検討 CO2ゼロ目指す
岩谷産業は30日、国内でバイオマス燃料による液化水素製造を事業化する検討を始めたと発表した。バイオマス燃料を燃焼してガス化し、水素を取り出す。水素を液化するのに必要な電力もバイオマス発電でまかなう仕組みの構築を目指す。燃料となる植物が成長する際に二酸化炭素(CO2)を吸収するため、製造する水素はCO2を実質排出しないグリーン水素となる。
現在、バイオマス発電施設の候補地の選定を進めている。同社は日本で唯一液化水素の製造・販売を手がけ、国内の水素販売量の7割を占める。2050年にCO2排出量実質ゼロを目指す「脱炭素」の実現に向けて関東地方での液化水素製造拠点建設を検討しているほか、23年度には20年度比で3割ほど多い9千万立方メートルの液化水素の販売を目指している。