大阪・池田小事件21年で追悼式 安全な学校「語り継ぐ」

児童8人が犠牲となった大阪教育大学付属池田小学校(大阪府池田市)事件から21年を迎えた8日午前、池田小で追悼式が開かれた。亡くなった児童の名前が刻まれた「祈りと誓いの塔」で児童代表の6年生3人が8つの鐘を鳴らし、参加した遺族や学校関係者が黙とうをささげた。
追悼式は事件発生の午前10時10分すぎに始まった。児童代表の6年生3人は「事件を風化させることなく、未来へ語り継いでいくことが私たちの役割だ」と誓った。
当時6年生の担任だった真田巧校長は「学校が安心して学べる場所であるよう努力を続ける」とあいさつ。池田小で事件を経験した教員は真田校長一人となり、「安全を保障する近道はない。地道な取り組みを継続することが大切だ」と述べた。
式は新型コロナウイルスの感染防止策で昨年に続き規模を縮小した。多くの児童が教室で参加し、中継を見守った。
事件後、池田小は2009年度から防犯対策や交通安全を学ぶ「安全科」の授業を導入し、全学年でそれぞれ年約15時間実施。緊急時に身の安全をどう守るかなどについて考える取り組みを進めている。
校内に防犯カメラのほか、非常用ボタンを各所に設置するなど警備体制も強化した。
事件は01年6月8日午前に起きた。包丁を持った宅間守元死刑囚=04年9月に執行=が校舎に侵入し、児童らを次々と襲撃。1、2年生の児童8人が死亡し、他の児童13人と教員2人が重軽傷を負った。