「振り返るとあっという間」 井戸・兵庫県知事が退任

31日に任期満了を迎える兵庫県の井戸敏三知事は30日、退任にあたり記者会見を開き、「振り返るとあっという間だった」と20年間の在任期間を振り返った。ハード、ソフトの両面で震災からの復興を進めてきた状況にも触れ、「新しいまちづくりが始まろうとしている」と今後への期待も述べた。
5期20年にわたった井戸知事の最大の課題は、阪神大震災で膨大な借金を背負った県財政の立て直しだった。県が復興事業のために発行した震災関連県債は約1兆3000億円。会見では「財政的制約はずっとつきまとっていた」と振り返った。2008年度に取り組み始めた「新行革プラン」のもと、18年度には震災後初めて収支均衡を達成するなど一定の成果をあげた。
今後の県政の課題には行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)をテーマに挙げ、「社会全体がDXに対応できるか、変化の大きな時代を迎えている」と述べた。自身の今後に関して問われると、「ずっと仕事一筋で50数年。初めての生活をどう構築できるか不安ですが、まあなんとかなるでしょう」と笑みを浮かべた。