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香川ゲーム条例は合憲、原告側の賠償請求棄却 地裁判決

(更新)

子供がインターネットやゲームに依存するのを防ぐため、利用時間の目安などを示した香川県の条例が幸福追求権などを保障する憲法に反するかどうかが争われた訴訟の判決で、高松地裁(天野智子裁判長)は30日、条例が合憲だとする判断を示した。原告側の賠償請求の訴えは棄却した。

問題となったのは香川県ネット・ゲーム依存症対策条例。2020年4月に施行され、ゲームなどの利用時間に目安を示した全国初の条例だった。

判決理由で天野裁判長は、ゲームのし過ぎにより社会生活上の支障が生じることについて「医学的知見が確立したとはいえないまでも、可能性そのものは否定できない。青少年は特に影響を受けやすい」と指摘した。

その上で、自治体には適切な教育政策を実施するために必要な範囲で家庭生活のルールを定める権限があるとし、一定の目安を示し、子供がゲーム依存に陥らないよう保護者に配慮を求めることを是認した。

今回の訴訟は、当時高校生だった男性と母親が20年9月に提訴した。原告側は条例に記されている依存症は医学的根拠が不明確だと主張。憲法13条が保障する幸福追求権や自己決定権を侵害しているとして、県に計160万円の賠償を請求した。

県側は、ゲームに熱中して日常生活に支障が出る状態を「ゲーム障害」と世界保健機関(WHO)が分類したことなどから、条例の目的や理念には合理性があると反論。利用時間などは目安にとどまり、県民の権利を不当に制限していないとして請求を退けるよう求めた。

訴訟を巡っては、原告側が今年4月に訴えの取り下げを申し立てた。県側が同意せず、高松地裁は認めなかった。

香川県の浜田恵造知事は判決後、「県の主張が認められたものと認識している。県民をネット・ゲーム依存から守るという条例の趣旨について、一層の理解促進に努め、対策に積極的に取り組む」とするコメントを出した。

香川県ネット・ゲーム依存症対策条例 インターネットやゲームにのめり込み、日常生活に支障が出る状態を「ネット・ゲーム依存症」と定義し、対策を進めることを目的とする。香川県議が提案し、2020年3月に賛成多数で可決された。

ゲームなどの過剰な利用は子供の学力や体力の低下、引きこもり、睡眠障害を招く指摘があると明記。18歳未満のゲームの時間を1日60分(学校休業日は90分)、スマートフォンの利用は中学生以下が午後9時、それ以外は午後10時までを目安とするよう保護者に求める。違反に罰則はない。

条例の制定過程を巡っては、パブリックコメント(意見公募)の際に同じ誤字があるコメントが複数見つかった。香川県弁護士会は20年5月、「子供と保護者の自己決定権を侵害する恐れがある」として条例の廃止を求める会長声明を出している。

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