大阪ダブル選へ経済人ら政治団体 「非維新」結集目指す
4月9日投開票の大阪府知事・大阪市長の「ダブル選」を巡り、地元の経済人らが独自候補の擁立も視野に政治団体を設立したことが29日、関係者への取材で分かった。IR(カジノを含む統合型リゾート)開業の賛否を問う住民投票の実施などを政策として掲げる方針。地域政党「大阪維新の会」に対抗する勢力の結集を目指し、自民党などとの連携も探る。
1月に設立した政治団体は「アップデートおおさか」。関係者によると、大阪商工会議所で副会頭を務めた西村貞一氏が代表に就く方向で、元大阪府副知事の小西禎一氏らが呼びかけ人として参加。近く記者会見を開いて設立を正式に発表する予定だ。
ダブル選を巡っては、大阪維新は府知事選に現職の吉村洋文知事、市長選に現在大阪府議の横山英幸氏を擁立する方針だ。知事選には元共産党参院議員の辰巳孝太郎氏が「IR反対」を掲げて出馬する意向を表明。自民党も知事選、市長選で候補者の選定作業を進めている。
アップデートおおさかの関係者はダブル選について「独自候補の擁立を検討するほか、我々の考えと一致するなら他党との連携も探りたい」と語り、自民などが推す候補者を支援する可能性に言及した。一方、辰巳氏の支援には否定的な考えを示した。
関係者は「現在の大阪府政、市政に疑問を持つ人の受け皿になりたい」とも強調。具体的にはIR開業の賛否を問う住民投票、新型コロナウイルス対応などを争点にしたいとしている。