滋賀県、IT企業からデジタル人材 企業版ふるさと納税で

滋賀県は28日、企業版ふるさと納税(人材派遣型)の制度を使ってIT(情報技術)企業のカヤックからデジタル人材を1人受け入れると発表した。30代の女性で、12月1日から2年4カ月間、一般任期付き職員として市町振興課に配属する。デジタルプラットフォームやデジタル地域通貨の活用などに取り組む。
同県とカヤックは5月にデジタルトランスフォーメーション(DX)を使った地域活性化の協定を締結。7月には同社が提供するサービス「まちのコイン」を使ってデジタル地域コミュニティ通貨「ビワコ」を始めた。現在のユーザー数は3758人、地域活動の体験拠点は252スポット、流通量は1586万ビワコ(直近3カ月)に拡大している。
企業版ふるさと納税は企業が自治体に社員を派遣すると、その人件費を寄付とみなして経費の最大9割まで税金を軽減する仕組み。自治体にとってはデジタルなどの専門知識を持つ人材を人件費を負担せずに活用できる。2020年10月に創設され、滋賀県によると全国で26団体に30人が派遣された。
滋賀県の三日月大造知事は28日の記者会見で「デジタル技術の的確な活用などに助言をいただきたい」と期待感を示した。
知事は記者会見で、公共交通に関連して実施した県民アンケートについても言及した。運賃以外の負担を7割以上が容認した回答結果について「許容度は想定以上に高い。負担したくない人も一定数おり、(交通税の導入は)丁寧に議論していく」と感想を述べた。