黒髪強要、二審も校則や指導の違法性認めず 大阪高裁
茶色っぽい髪を黒く染めるよう教諭らに強要されて不登校になったとして、大阪府羽曳野市の府立高校の元女子生徒(22)が府に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、大阪高裁であった。本多久美子裁判長は髪の染色を禁じる校則や指導の違法性を認めなかった一審・大阪地裁の判決を支持し、元生徒側の控訴を棄却した。
訴訟では校則が合法かどうかが主な争点となっていた。控訴審判決は、学校教育では「個別的、集団的な実情に応じて多様な教育指導が許容されるために広範な裁量が認められる」と指摘。府立高の校則や頭髪指導は「裁量の範囲を逸脱しない」と結論づけた。
一審の大阪地裁判決は、元生徒が不登校になった後、学校が名簿に生徒の名前を載せないなどの対応について府に33万円の賠償を命じた一方で、校則について「社会通念に照らして合理的」などと判断した。元生徒が控訴していた。
訴状などによると、元女子生徒は生まれつき髪の色素が薄く、2015年4月の入学時に母親が「地毛が茶色なので配慮してほしい」と要請。教諭らが黒染めを強要したと主張しており、2年生だった16年9月から不登校になった。