通園バス置き去り防止、施設の2割に課題 初の実地調査

政府は27日、通園バス園児置き去りの再発防止を検討する関係府省会議を開き、通園バスを所有する全国の保育所などを対象にした初の実地調査の結果を公表した。乗降時の子どもの安全管理などに課題があった施設は19.5%に上った。
全ての通園バスに設置を義務化するブザーなどの安全装置は、1台当たり17万5千円を上限に費用を補助する。
会議の議長を務める小倉将信こども政策担当相は「決して事故を風化させず、二度と起こさないという強い決意で対策を前に進める」と強調した。
実地調査は昨年9〜12月、通園バスを保有する保育所や幼稚園、認定こども園など約1万カ所を対象に実施した。
乗降時の安全管理などに何らかの課題があったのは全体の19.5%。施設別では認可保育所などの21.3%、認可外保育施設の31.0%、幼稚園の18.0%、認定こども園(幼保連携型)の17.1%だった。
内容別に見ると「乗降時の子どもの人数や名前の確認」で課題があったのは、認可保育所などの3.4%、認可外保育施設の6.7%、幼稚園の1.0%、認定こども園(同)の3.9%。「見落とし防止のための園内研修の実施」は認可保育所の14.9%、認可外保育施設の13.6%、幼稚園の6.4%、認定こども園(同)の10.4%だった。
費用補助の対象となる安全装置のリストも公表。補助額の上限は装置の標準的な価格と同程度に設定しているため、園側の負担は実質的になくなるとしている。
また義務化しないものの、設置を促す小中学校や放課後児童クラブのバスについては8万8千円まで補助する。〔共同〕