京セラ、今期最終25%増益 5G向け部品がけん引
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京セラは27日、2022年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比25%増の1130億円になる見通しだと発表した。高速通信規格「5G」や半導体関連部品の販売増加を見込む。新型コロナウイルス感染拡大の影響で前期に不振だったコピー機などドキュメント事業も回復する。年間配当は160円と20円増やす。
売上高は13%増の1兆7300億円と過去最高を見込む。半導体製造装置向けのファインセラミック部品や、5G対応スマホや基地局といった通信インフラ向けのセラミックパッケージなどの出荷が拡大する。自動車関連でも先進運転支援システム(ADAS)の普及に伴って車載カメラの需要増を見込む。
前期に新型コロナ感染拡大の影響でオフィス需要が落ち込んだドキュメント事業は、新型の高速インクジェットプリンターが広告印刷など商業用向けに伸びる。同日オンラインで記者会見した谷本秀夫社長は「すべての事業セグメントで増収増益を見込む」と語った。全体の営業利益は66%増の1170億円になる見通し。
同日発表した21年3月期の連結決算は、売上高は前の期比5%減の1兆5268億円、純利益が902億円と16%減った。ドキュメント事業が不振だったほか、太陽光発電システムなども新型コロナ禍で営業活動が制限されたことが響いた。
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