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大阪の町工場70社が「工場開放」 万博目指し職人技披露

大阪府東大阪市や堺市など府内の複数のエリアで今秋、地場企業が工場を開放して見学などを受け入れる「オープンファクトリー」が開かれる。参加は計七十数社に上る見込みで、自社技術を広く紹介して新ビジネスのヒントを探るとともに、職人が来訪者に技術や製品を披露し説明することで自らの強みの再認識を促す。

各イベントの運営を担う参加企業の若手経営者の間では、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)期間中にも「サテライト会場」としてオープンファクトリーを開催する構想がある。

堺市、八尾市・東大阪市、門真市・大阪市都島区の3地区を会場に10月21~24日に開かれる「FactorISM(ファクトリズム)」には樹脂や金属加工など43社が参加する。工場見学や機械操作などを体験できるワークショップのほか、23、24日は地場企業紹介施設「みせるばやお」(八尾市)や堺伝統産業会館(堺市)で体験型プログラムを開く。

ファクトリズムは副題に「アトツギたちの文化祭」を掲げ、昨年初めて開催した。新型コロナウイルス禍で一般見学者の受け入れは中止したが、ビジネス関係者が多く訪れたという。今年は参加企業が8社増え、一般にも公開する。運営責任者の一人、友安製作所(八尾市)の松尾泰貴氏は「町工場の持つ職人技のすごさと面白さを体感してほしい」と話す。

貝塚市と泉佐野市の鉄鋼部材、タオルのメーカーや農園など十数社は、11月4~6日に「貝塚オープンファクトリー」を開く。集合場所の南海本線貝塚駅前のコワーキング拠点「ポートフォリオ」から、工場見学やワークショップを開く各社までバスを運行する。戦国時代から続くとされる貝塚市内の寺内町の見学ツアーなども開く予定だ。

東大阪市では11月19、20日に16社が「こーばへ行こう!」を開く。18年の初開催から5回目で、近畿大学や観光地域づくり法人(DMO)の東大阪ツーリズム振興機構(同市)が協力し、ダンスイベントなども開く。

いずれのイベントも工場見学やワークショップの内容をホームページで紹介し、事前予約を受け付ける。貝塚オープンファクトリーは参加費が大人2500円、子供1000円。貝塚以外の2イベントは参加費無料で、ワークショップでは材料費がかかる場合もある。

南海電鉄は9月27日に3イベントの運営担当者を招いた座談会をオンラインで開催した。同社まち共創本部の泰田崇義企画部長は「地元企業の魅力を知って就職する若者が増えれば沿線活性化につながる」と指摘。共催した近畿経済産業局の米村猛前局長は「万博に訪れる国内外からの人々が日本の製造業の真髄(しんずい)に触れる場となれば」と話した。

下請け脱却、オープンファクトリーの契機に

オープンファクトリーは製造業や伝統産業の集積地で広がる。新潟・燕三条地区の「工場の祭典」や福井県鯖江市などの「RENEW」は新型コロナウイルス禍前、国内外から数万人が訪れた。

中小企業では電機や自動車大手など取引先との関係から製造現場は公開しないことが一般的だった。近年は下請け体質脱却へ新事業を模索し人材を確保する観点からオープンファクトリーに賛同し、公開について取引先と交渉する若手経営者が増えている。盛光SCM(大阪府東大阪市)の草場寛子社長は「地域と企業の将来を担う子供や若者らにこそ、オープンファクトリーに足を運んでほしい」と呼びかける。

大阪での取り組みについて京都橘大学経営学部の丸山一芳准教授は「優れたデザイナー、クリエーターとの関係を築いてイベントの魅力を高め、各社の技術を生かした製品開発につなげる努力が必要だ」と指摘する。

(高佐知宏)

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