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サッカー界で食料支援の輪 J2金沢、選手が発案

ピッチの外で何かできることは――。サッカー選手の思いから支援の輪が広がっている。J2金沢は2020年から、生活困窮者らに食料を無償提供する「フードバンク」への積極的な寄贈を開始。発案者の広井友信選手は「普段はクラブと家を行き来するだけの狭い世界だったが、社会ともつながっていける実感を得られた」と充実感を口にする。

広井選手は新型コロナウイルス禍に見舞われた20年春、報道でフードバンクの在庫減少を知った。食料を受け取るのは、ひとり親世帯や、無料や低額で食べられる「子ども食堂」だ。自身も3児の父。「子どもが、おなかいっぱいご飯を食べられない現状はつらい。何かできるんじゃないか」

相談を受けたクラブのホームタウン推進室の灰田さち室長は「選手から自発的に声を掛けてもらえることがなかったので、うれしかった」と振り返る。すぐに話し合い、行動へ移した。まずは7選手が試合勝利数に応じてお金を出し合い、20年7月から毎月、NPO法人「いしかわフードバンク・ネット」へ寄贈を始めた。

同団体によると、20年春はコロナの影響で食品を集めるイベントなどが制限され、在庫がほぼ底を突いたという。金沢からの支援などで難を逃れ、同団体は「選手からの働き掛けがあって認知度の高まりがあった。本当にありがたかった」と感謝する。

サポーターの協力を得てスタジアムに食品を持ち込んでもらう「フードドライブ」も展開。広井選手がチーム全体に呼び掛け、今季からは、ほぼ全選手が活動に参加する。パートナー企業の賛同も得て、みるみる輪が広がり、21年9月までに約3トンの飲食料品を寄贈してきた。

今後も「キッズスマイルプロジェクト」と銘打って支援だけにとどまらない交流を継続していく方針で、灰田室長は「子どもたちの幸福度ナンバーワンの地域にするために、どんどん発信していきたい」と話す。

9月末、Jリーグが定期的に行う社会連携活動の勉強会で、一連の取り組みが題材となった。昨季引退し、ゲスト参加した元日本代表の中村憲剛さんは「サッカー以外でも誰かの役に立てるのは、すごく大きいこと。理想型で最高。全クラブがやればいいぐらいだと思う」と称賛した。

これまでもJ1名古屋やJ2甲府、京都などがフードドライブを実施。金沢の事例を受けてさらなる広がりも期待され、Jリーグ社会連携室の鈴木順室長は「これをきっかけに(全クラブの)57通りできれば、素晴らしい風景が見られると思う」と願った。〔共同〕

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