岩谷産業、水素充塡装置メーカーを買収 200億円弱
岩谷産業は28日、水素充塡装置を製造するトキコシステムソリューションズ(川崎市)を投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループ(東京・千代田)から買収すると発表した。買収額は非公表だが、200億円弱とみられる。買収により、水素ステーションなど水素供給に必要なインフラを整える。
全株式を4月1日に取得する。トキコシステムの前身は、自動車部品の旧日立オートモティブシステムズの子会社。
水素は産業ガスのなかでも分子が小さく、充塡装置の製造には高い安全技術が求められ、国内メーカーは数社にとどまる。トキコシステムはガソリンスタンドの建設や保守なども手掛けており、岩谷産業は日米で展開する水素ステーションの運営費や建設費の削減につながるとも見込む。
水素ステーションの建設だけでなく、水素の供給に必要なバルブなどの部品も共同で開発する。岩谷産業の営業拠点を生かし、水素の充塡装置の海外販売も進める。
岩谷産業は国内の水素販売で7割のシェアを握る。現時点での利益貢献は限られるが、水素をLPガスと並ぶ新たな収益の柱に育てたい考えだ。2023年度までの3年間に水素関連で600億円の投資を計画。水素ステーションの建設も日米で進め、23年度までに20年度から9割増やし計106カ所にする。
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