ITチャンバラに注目 次世代の生涯スポーツに

IT(情報技術)を使ったデジタルチャンバラ「SASSEN(サッセン)」が注目を集めている。センサーを内蔵した柔らかい素材の刀で戦い、専用アプリで勝敗を決定する。昨年大ヒットした「鬼滅の刃」ブームに乗り、次世代の生涯スポーツとして普及を目指している。
試合開始の合図で、向かい合った2人が刀を持った腕を前にして深く腰を落とす。互いに相手の隙をうかがい、1人が足元に斬りかかると、相手もそうはさせまいと刀を振り下ろす。
サッセンは2016年、北九州市の本村隆馬さんらが考案。ポリエチレン製の長さ65センチの刀はセンサーとLEDライトを内蔵。普段は青く光るが、攻撃が成功すると効果音が鳴り赤く光る。
専用のスマートフォンアプリが判定するので誤審がない。本村さんが空手の試合で何度も判定に泣いた経験から審判のIT化を思いついた。1試合60秒で攻撃回数は5回。相手に触れると一本で二本先取で勝ちとなる。
東京で4月に開かれた体験会に参加した2人組アイドルのアオハルさん(24)とマミさん(27)は「普段はスポーツをしないけど手軽に体を動かせて気持ちいい。初心者でも頭を使えば勝てるので楽しめる」と話した。
サッセン刀は短く軽いので子どもの娯楽や高齢者のリハビリにも活用できる。地方でも体験会の希望が増えたという。本村さんは「夢は全国に支部をつくり全国大会を開きたい」と意気込んだ。〔共同〕