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乳出ず処理のオス、肉牛に ジャージー種販路拡大

餌を食べるオスのジャージー牛と関谷達司さん(3月、北海道新得町)=共同

乳牛として知られるジャージー種のオスの牛を肉牛として育て出荷する取り組みが北海道をはじめ全国各地で進んでいる。乳が出ない上、生育が遅く、餌代がかさんで採算が合わないことから生後すぐにソーセージなどとして食肉処理されることが多かったが、和牛並みのうま味があることが判明。有名レストランでもメニューに採用されるなど販路が徐々に拡大しつつある。

3月中旬、北海道新得町の畜産農家、関谷達司さん(63)の牧場では、700キロのどっしりしたオスのジャージー牛約50頭がおとなしそうに餌を食べていた。関谷さんは「30キロ足らずの子どもを育てて2年半。ようやく出荷です」と満足そうに話す。

畜産農家らでつくる「日本ジャージー登録協会」(東京)によると、国内では乳牛全体のわずか1%の約1万頭が飼育されている。黄色みがかった乳は脂肪分が豊富で希少さから「ゴールデンミルク」と称され、上質なバターやチーズに加工される。

一方、乳の出ないオスは農家の悩みの種に。関谷さんによると、ジャージー牛は体格が小さく病弱。同じ乳牛のホルスタイン種に比べて肉牛として育てるノウハウが不足し、処分するケースがほとんどだという。

牧場を開いて20年たった2010年ごろ、町内の食肉処理場に運ばれたジャージー種の子牛を見て、子どものうちに処理するのはしのびないと感じた。業者から1頭を譲り受けて飼育を始め、大きく育てた牛の肉は地元の洋食店などに販売された。近年は道内のジャージー牛を飼育する農家約30戸からオスの子牛を購入し育てた上で年に100頭ほど出荷している。

北海道立総合研究機構に肉質の調査を依頼したところ、うま味成分の一つであるオレイン酸が和牛並みに多く含まれており、口内でとろける軟らかさを持つことが判明。有名シェフの三国清三氏がプロデュースする「ミクニ サッポロ」(札幌市中央区)ではコース料理のメインディッシュに使われている。二本柳真料理長(42)は「お客さんからくどさがないと好評です」と話す。

全国では、ジャージー牛の一大産地の岡山県真庭市や、愛媛県西予市の農家でも肉牛に育てる試みが進む。関谷さんは「多くの人に味わって魅力を知ってもらいたい」と意気込む。〔共同〕

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