日東電工、4~6月期純利益73%増 回路基板けん引

日東電工が26日発表した2021年4~6月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比73%増の208億円だった。高精度の回路基板がスマートフォン向けに拡大したほか、半導体の生産工程で使う材料も堅調だった。15日時点の市場予想の平均値(QUICKコンセンサス)の174億円を上回った。

売上高にあたる売上収益は25%増の2037億円だった。中国などでのスマホ需要が高く、ハイエンド向けの偏光板や組み立て用の部材などが好調。前期から量産を始めたスマホ向けの高精度基板も伸びた。データセンター向けの回路基板も受注が増えた。
新型コロナウイルス禍でテレワークが拡大し、タブレット端末やサーバーなどの需要が増えたことにより、コンデンサーなどの電子部品の製造に使う材料も業績に寄与した。自動車向けのテープも前年同期から販売需要が回復した。核酸医薬分野では技術供与に対するロイヤルティー収入を計上。営業利益は70%増の297億円だった。
22年3月期通期の業績予想は据え置いた。26日の電話での記者会見で最高財務責任者(CFO)の伊勢山恭弘取締役は「上期は計画通りに推移している」と話したうえで、「下期は半導体不足、新型コロナの収束時期が不透明などの懸念もある」と指摘した。
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