日東電工、22年4~9月純利益22%増 円安で最高益
日東電工が26日発表した2022年4~9月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比22%増の633億円だった。4~9月期として過去最高となった。円安による為替差益が押し上げの要因となり、スマートフォンに組み込む回路基板で採用機種が増えたことが寄与した。
売上高にあたる売上収益は前年同期比14%増の4849億円、営業利益は同27%増の922億円で、ともに過去最高となった。営業利益は円安による為替効果で385億円押し上げた。

日東電工は海外売上高比率が約8割にのぼる。円安が採算改善につながりやすく、対ドルで1円円安が進んだ場合の営業利益の押し上げ効果は年30億円となる。伊勢山恭弘最高財務責任者(CFO)は同日の電話会見で「スマホ向け部品などが業績の伸長に寄与し、為替でも円安を享受するかたちとなった」と話した。
中国でのロックダウン(都市封鎖)の影響は7~9月期に緩和し、ハイエンドスマホやタブレット端末向けの偏光板などの光学材料も回復した。自動車やスマホ向けの組み立て用部材の販売も増えた。
成長分野と位置づける核酸医薬の受託生産の好調も寄与した。ただ、けん引材料となっていた新型コロナウイルス向けワクチンの効果を高める「核酸免疫補強剤」の需要が一巡し、下期の事業売上高は前年同期と比べ減少を見込む。
23年3月期通期の業績予想は据え置いた。売上高は前期比12%増の9550億円、純利益は同18%増の1150億円を見込む。
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