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パナソニック、純利益2400億円に上方修正 22年3月期

電子部品など堅調、上期はリーマン前水準に

パナソニックは28日、2022年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比45%増の2400億円になる見通しだと発表した。従来予想を300億円上回る。電子部品が堅調に推移し、米ソフトウエア大手の完全子会社化に伴い既存持ち分の再評価益を計上する。ただ、自動車減産や東南アジア地域の工場の操業停止など先行きには不透明感が残っている。

売上高は9%増の7兆3000億円と、従来予想を3000億円引き上げた。けん引するのは電子部品や車載電池だ。電子部品は通信基地局など通信分野や工場向けが伸長し、固定費抑制効果も出る。電子部品事業の営業利益は前期比65%増の1090億円と従来予想を240億円引き上げた。米テスラに供給する車載電池事業も販売増加で収益が改善している。

新型コロナウイルス禍で航空機向け機器の回復が遅れるが堅調な事業で補う。米ブルーヨンダーの完全子会社化に伴う再評価益で583億円を計上。全体の営業利益は400億円上方修正して43%増の3700億円を見込む。

同日発表した4~9月期の営業利益は前年同期比2.1倍の2012億円となった。会計基準の違いがあるが、単純比較するとリーマン・ショックの影響が本格化する前の08年4~9月期の水準にほぼ戻った格好だ。

もっとも足元では原材料高騰や半導体不足による自動車の減産やアジアのロックダウンによる工場操業停止などの影響が出ている。家電では去年の「巣ごもり消費」の反動減も顕在化している。

オンラインで記者会見した最高財務責任者(CFO)の梅田博和専務執行役員は「4~6月期より、7~9月期の方がコスト増の影響は大きい」と警戒感を示し、原材料高により年1000億円のコスト増要因になるとの見方を示した。

家電や電子部品などで影響が出ている半導体不足については「来年度から需給関係は少し改善にむかうのではないか」との見方を示した。

パナソニックはここ数年、低収益体質からの脱却を掲げて構造改革を急いできた。赤字が続いた半導体の売却や液晶パネル・太陽電池生産からの撤退を決め、細かな費用抑制などを積み重ねて22年3月期までの3年間で1000億円の固定費を削減。かつての主役であるテレビも工場数を19年の4分の1に減らす。

構造改革を評価する声もある。電機業界を担当するみずほ証券アナリストの中根康夫氏は8日のリポートで、15年以降で初めて投資判断を「買い」にした。構造改革により「収益悪化リスクは小さい」(中根氏)とした上で、「実力値として25年3月期には営業利益5000億円を狙える」と指摘する。

かねて津賀一宏社長(現会長)が「モグラたたき」と表したように、次々とでてくる赤字事業の対応に追われ、業績悪化の原因となってきた。構造改革と成長模索を繰り返すフェーズから脱却するため、新たな成長戦略を早期に具体化する必要がある。(岩戸寿)

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