日東電工、22年3月期の純利益最高 ワクチン向け好調
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日東電工は26日、2022年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比35%増の950億円になりそうだと発表した。従来予想を50億円上回り、4期ぶりの最高益となる。新型コロナウイルスワクチンの生産に使う核酸医薬の受託生産が当初計画以上に伸び、スマートフォン向け回路基板も好調に推移する。為替レートが円安に振れていることも利益を押し上げる。
売上高にあたる売上収益は12%増の8550億円と、100億円上方修正した。スマホ用の高精度基板の搭載機種が増えたほか、半導体工場向け部材の販売が増えた。データセンターのサーバーに使う回路基板も好調。光学フィルムや自動車向けテープの伸び悩みを補う。

営業利益は42%増の1330億円と70億円上方修正した。新型コロナワクチンに使う核酸免疫補強材は製造ラインを増設した。核酸医薬を含むライフサイエンスの営業損益は130億円の黒字(前期は30億円の赤字)に転換し、10月時点からも30億円上方修正した。
22年3月期の業績予想を上方修正するのは2回目だ。同日の記者会見で伊勢山恭弘・最高財務責任者(CFO)は「新型コロナワクチン向け材料は23年3月期以降も新興国向けなどで好調が続きそう」と話した。
21年4~12月期の連結決算は売上収益が前年同期比14%増の6462億円、純利益は41%増の778億円だった。
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