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任天堂の旧本社跡にホテル 創業家「歴史に思いはせて」

(更新)

任天堂創業家の山内家は29日、4月1日に開業する任天堂の旧本社ビル(京都市)を改装したホテル「丸福樓(まるふくろう)」を報道陣に公開した。同ビルは創業家の資産管理会社が所有しており、これまで一般公開されてこなかった。

創業家の山内万丈氏は同日のお披露目会で「任天堂の原点とも言える場所で、挑戦の歴史に思いをはせてほしい」と話した。

同ビルは1930~50年代に任天堂の本社として使われた建物。ホテル名は花札やトランプ製造・販売を手掛けていた当時の社名「丸福」にちなんだ。ホテル経営のプラン・ドゥ・シー(東京・千代田)が運営を行う。

建築家の安藤忠雄氏が設計監修した新棟と合わせて、18室の客室をそろえる。宿泊料金は2人利用の場合で1泊10万円前後(2食付き)から。各部屋には昭和初期の建築当時から残る家具や壁紙があり、通路などには当時製造していたトランプや出荷箱などを展示する。

創業家の「任天堂のチャレンジ精神を感じてほしい」(山内氏)との思いから、過去のゲーム機やゲームに関する書籍を展示するラウンジも設ける。宿泊者は無料で使えるほか、今後は京都の起業家やクリエーターを招いた交流イベントを開く計画もあるという。

同日開いた開業セレモニーでは安藤氏や京都市の門川大作市長が登壇した。安藤氏は「次の50年、100年残る建物にしてもらいたい」と語った。門川市長は「任天堂は京都の誇り。新たな価値が生まれ、地域の方も喜んでもらえるはずだ」と話した。

創業家は任天堂の経営には関わっておらず、スタートアップなどに投資するファミリーオフィス(個人資産の運用会社)を運営する。任天堂の古川俊太郎社長は開業に際し、「当時の娯楽と時代の移ろいを感じられる場所になることを楽しみにしている」とコメントを寄せた。

任天堂を創業した山内家の山内万丈氏に、ホテル開業の経緯を聞いた。

――ホテルとして改装した理由を教えてください。

「旧本社は任天堂のファンにとってシンボリックな場所だ。これだけ素晴らしいものを寝かせておくのが本当に良いのか課題に感じていた。次の100年に残すことが創業家の役目と考えホテルという残し方を選んだ」

――宿泊者にはどんな思いを感じてほしいですか。

「建物には任天堂の挑戦の歴史とクラフトマンシップの息づかいが残っている。各部屋の造形を見てもらうと『これって普通やらないよね』みたいな点が多く残っていて、そうした細部のこだわりは任天堂のゲームづくりにも通じる所がある」

「任天堂と聞くと華やかで巨大なエンターテインメント会社を想像すると思うが、実際は苦しかった時代、試行錯誤を続けてきた時代がある。客室や館内の展示品を見ながら、任天堂の原点や挑戦の歴史に思いをはせてもらいたい」

(聞き手は平嶋健人)

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