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寺院に住み込み、所作から学ぶ(キャンパス探訪)

高野山大学の寺生

常香盤の灰に測ったかのように規則的な溝をさっと描き、抹香を手際よく敷いていく。「最初はうまくできず、苦痛でした。『なんで早くならんねん』って」。高野山大学密教学科3回生の大江峻弘さんはこう話す。1時間かかった作業が、今では20分で済むようになった。

大江さんは大学近くにある寺院、遍照尊院の寺生(てらせい)だ。同大学は大阪府河内長野市にも教育学科のキャンパスがあるが、密教学科のある高野山キャンパス(和歌山県高野町)はいわゆる山上にあるため、自宅から通う学生はごく少数。多くが下宿や寮暮らしとなる中、寺院に住み込みで学ぶ寺生もいる。高野山では宿坊を営む寺院も多く、勤行だけでなく宿泊客の対応を手伝う。学費の援助を受け、お小遣いも出る。大江さんの実家は兵庫県のお寺で、父親も兄も寺生だった。

基本的な生活パターンはこうだ。朝は5時起き。ご飯を炊いて仏飯を作り、お供えしたら6時半からお勤め。7時半からは宿泊客の朝食の準備を手伝う。9時に登校し、午後4時半までは学内。夕食の手伝いを終え、自由時間は午後7時すぎからだ。それでも、「休みには寺生仲間とカラオケに行くこともあります。今は自粛中ですが……」と学生らしい一面も。

密教学科に在籍する約100人のうち、「寺生は10人程度。お寺の縁でくるケースが多い」(松長潤慶副学長)。神聖な空間で所作から学び、顔つきも変わっていく。(上野正芳)

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