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オプジーボ訴訟、本庶氏「正当な対価を」 小野薬応じず

本人尋問後、記者会見する京都大の本庶佑特別教授(左)=2日午後、大阪市北区

がん免疫薬「オプジーボ」を巡り、ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大の本庶佑特別教授が小野薬品工業に特許使用料の分配金約262億円の支払いを求めた訴訟で、本庶氏と小野薬品の相良暁社長の尋問が2日、大阪地裁であった。本庶氏は自身の研究成果で同社は大きな利益を得ているとして「見合うだけの対価が要る」と訴えたが、小野薬品側は応じない意向を示した。

訴訟では、小野薬品がオプジーボをめぐる米製薬会社メルクとの特許侵害訴訟の和解で受け取った対価の本庶氏への分配金が1%だったことの妥当性などが争われている。

本庶氏は、メルクとの訴訟に協力した理由について「将来、京大で学ぶ若い研究者のために資財を獲得するため」と発言。自身の協力なしに訴訟で実質的な勝利はなかったとして、小野薬品が2014年の協力依頼時に示した40%の配分割合が有効だと主張した。

一方、相良社長は40%の支払い提案について「オプジーボのプロモーションへの協力などとセットだった」とし、訴訟への協力のみを条件としたものではなかったと主張。提案は後日、本庶氏に「はした金」と明確に拒絶されたとして、合意は成立していないと主張した。本庶氏の訴えについて「不合理な要求が認められるようになると、産学連携に大きな禍根を残すことになる」と強調した。

民法上の契約は、契約内容を示して締結を申し込み、相手方が承諾をしたときに成立する。契約は口頭の約束でも成立する。ただ、今回の裁判では双方で申し込みや承諾の有無について食い違いがあり、尋問でも双方の主張は平行線をたどった。

小野薬品は業績への影響について「現時点での予想は困難」とする。ただ、3月末時点で「オプジーボに関わる第三者への支払い」という名目も含み207億円の引当金を計上している。仮に本庶氏の主張が全面的に認められたとしても、影響は限定的との見方がある。

オプジーボはがん細胞による免疫活動の抑制を妨げ、免疫の力を利用してがんを攻撃する仕組み。14年に悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬として発売した。小野薬品の21年3月期のオプジーボ関連の売上高は、米ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)からのロイヤルティー収入を含めて約1600億円。売上高全体の5割を占める大黒柱だ。

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