たねやの大津湖岸店、ゼロカーボンパークに

和菓子店のたねや(滋賀県近江八幡市)が琵琶湖岸の大津湖岸なぎさ公園内に整備する新店舗の概要が明らかになった。カフェと工房のある店舗を中心に、2つの森を配置して二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロの「ゼロカーボンパーク」を目指す。開業時期は当初予定より半年以上遅れ、2024年冬になる見通しとなった。
民間資金で公園を整備する「パークPFI」を導入した大津市の佐藤健司市長が24日の記者会見で明らかにした。佐藤市長は「市民だけでなく、観光交流の拠点としての魅力を発揮できるよう期待している」と話した。

公募設置計画によると、大津市在住で里山の写真家として知られる今森光彦氏が監修して落葉樹の森と小川の森をつくる。施設で使う電力や空調に太陽光発電や地中熱、隣接する市の浄水施設で発生する下水熱も活用する。駐車場の舗装には製造時にCO2を固着する「カーボンプールコンクリート」を使う。
たねやが賃借して管理する公園施設面積は7690平方メートル、これを取り囲むように市が管理する1万7000平方メートルのエリアを設ける。湖岸沿いに長さ4.8キロ続くなぎさ公園の中央部分に当たる。125台分の駐車場と自転車47台分が止められるサイクルラックを設置する。事業期間は20年。
たねやグループは23年1月に旗艦店「ラ コリーナ近江八幡」にバウムクーヘンの製造工程が見える新工場を開設するなど、新型コロナウイルス禍で手控えていた大型投資を再開している。

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