大阪府、脱炭素技術8事業を支援 万博中に成果を披露

大阪府は24日、企業の脱炭素技術の開発で支援する8事業を発表した。水素を効率的に製造する装置や電動船のワイヤレス充電システムなどの開発を後押しする。2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)の期間中に成果を披露し、世界にアピールする。
支援制度は三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の「企業版ふるさと納税」制度による府への寄付金5億円を活用する。1事業あたり最大1億円を補助する。万博までの3年間の支援を前提に、まず22年度分の対象事業を決定した。28事業の応募があり、有識者の審査を経て8事業が選ばれた。23年度と24年度分は改めて公募する。
グリーン・メタネーション研究所(大阪市)などは、電力から高効率で水素を発生させる装置を開発する。万博までに水素ステーションを設置し、水素を燃料電池車(FCV)に充塡できるようにする。
ダイヘンなどは、電動船のワイヤレス充電システムの大容量化・小型化に取り組む。システムを搭載した電動船を大阪ベイエリアを周遊する遊覧船として活用することを目指す。

タイガー魔法瓶(大阪府門真市)は断熱材をステンレス密封した真空断熱パネルを開発する。断熱効果を長時間維持することができるという。万博期間中に断熱性能を体感してもらい、万博後は鉄道や航空など輸送コンテナへの導入や、建物の壁や床の断熱材としての活用を目指す。
大阪府の吉村洋文知事は24日、記者会見で「意欲的でチャレンジングな事業が出てきている。万博を契機に新しい脱炭素技術が生まれることを期待したい」と語った。

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