「還暦」千里ニュータウン再生着々 絆は世代や国籍を超え
都市の針路 多様性を育む(1)
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天下人の城下町、薬の街、繊維の街、電機の街、そして観光の街――。大阪では時代とともに新たな産業が興り、地盤沈下の危機から何度も再生してきた。レジリエンス(強じん性)の背景には新しさを柔軟に受け入れ、独自に進化させる「多様性」の土壌がある。関西の懐の深さは地域や企業に活力や斬新なアイデアをもたらしている。
大阪府吹田市、豊中市にまたがる千里ニュータウン(NT)。入居開始から今年で60年の「還暦」を迎えた街は大きな変貌を遂げている。人口減に直面し「オールドタウン」と揶揄(やゆ)されたのは今や昔の話だ。
10月29日午前、NTのほぼ中央に位置する新千里東町(豊中市)にあるカフェ「Harbor101」を訪れると、子育て世代や高齢者がランチを楽しんでいた。高い天井とオープンキッチンが印象的な店内にはポップな音楽と客の笑い声が響く。
集う若者・外国人、直近10年で人口V字回復
再開発でマンションの建設が相次ぐ東町に9月にオープンしたばかりだ。子ども向けのメニューも豊富にそろえた。運営する女性は「地域住民の交流のきっかけとなるコミュニティーの場をつくりたい」と話す。
千里NTに人が集積している。それも多様な人たちがだ。若者や外国人らが

2025年万博に向け、大阪・関西が動き出しています。魅力ある都市とは、絶えず新しいものが生まれ、そこで学びたい、働きたいと若者がやってくる「憧れの対象」です。長期低迷からの脱却をめざす都市の現状を描き、都市の進むべき道を考えます。
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