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日本電産4~9月、純利益3割増 円安効果で過去最高

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日本電産が24日発表した2022年4~9月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比30%増の866億円だった。4~9月期として過去最高だった。円安による為替差益が押し上げ要因となり、従来予想(750億円)を上回った。成長事業と位置付ける車載事業は7~9月期、3四半期ぶりに営業黒字となった。

「満足いくものではないが、業績は回復途上にある」。24日のオンライン会見で会長兼最高経営責任者(CEO)の永守重信氏は強調した。日本に開発拠点があるなどの理由で、対米ドルで1円の円安が進むと、売上高で100億円、営業利益で11億円の押し上げ効果がある。これに加えて、外貨建て資産評価の為替差益が貢献した。

売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。売上高は24%増の1兆1307億円、営業利益は8%増の963億円だった。増益幅は72億円。営業利益は為替差益により170億円の押し上げ効果があった。

全般に円安の恩恵を受けたが永守氏は、「世界45カ国でものづくりをしている。海外で作り日本に持ち帰って円安がマイナスになっている部品などもある」と説明した。

事業別にみると、「家電・商業・産業」事業は前年同期と比べ22億円の減益だった。原材料価格の高騰や製品構成の変動が響いた。

営業損益が7~9月期に黒字化した車載事業は、原材料価格の高騰に対し価格転嫁や固定費の改善に取り組んだ。特に電気自動車(EV)向けモーターとインバーター、減速機を一体化した製品「イーアクスル」が寄与した。

イーアクスルは9月から欧州ステランティスとの合弁工場が稼働した。利益率の高い第2世代も22年9月末から量産を始めており、24年3月期から通期ベースで黒字転換を目指す。これまでは取引先の拡大を優先し、利益率の低い製品を販売してきた。

第2世代はインバーターに使う半導体の調達方法を変えてコストを3割削減し、減速機やモーターの使用部材を減らして2割ほど小さくした。車載事業を担当する早船一弥常務執行役員は「24年3月期の確定受注が120万台ある。毎年2倍以上の成長をとげている」と説明した。

調査会社の富士経済(東京・中央)によるとイーアクスル市場は22年に316万台と21年に比べ倍増し、35年に21年比37倍の5670万台に拡大する。日本電産は23年3月期中に生産能力を200万台とし、26年3月期までに700万台まで引き上げる計画だ。

今後について、イーアクスルの生産は下期から増えるとの見通しを明らかにした。10月の生産能力5万台に対し、12月以降は月7万台以上に増やして利益を積み増す。

一方で永守氏に依存するリスクは続く。一時は後継候補で社長兼CEOだった日産自動車出身の関潤氏は9月に退社した。日本電産は業績悪化が理由としており、創業者である永守氏がCEOに戻り、創業メンバーの小部博志氏が社長兼最高執行責任者(COO)に就いた。

23年4月に内部から副社長を5人選び、24年4月にその中から社長を決める方針だ。永守氏は「社長を中心に専門のプロが体制を組んで経営する」とも強調した。

永守会長「成功体験にすがると失敗する」


日本電産は24日にオンラインで2022年4~9月期の決算説明会を開いた。永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)らとの主なやりとりは以下の通り。
――ガバナンス(企業統治)はどのように意識しているか。
永守会長「ガバナンスに問題があるとは思っていない。外部から社長を迎え、企業文化が変わった。後継者(の選定)について10年遅れたことは最大のミスだ。今は内部の人材を育てている。来年4月までには新しい経営体制をつくる」
「ここ2年間はつらかった。(創業から)50年間で確立してきた基本ポリシーを(外部から招いた人材は)学んでくれなかった。2年間で1000億円の利益を失った。小部博志社長を中心に体制を組んでいるので会社がガタガタすることはない。企業文化はすぐに若い人が元に戻してくれる」
小部社長「現場、現実、現物を重視するのが日本電産の企業文化。関(潤)前社長は社員とのコミュニケーションをもっと重視すべきだった」
――車載事業の成長戦略は。
早船一弥常務執行役員「電気自動車(EV)向けのイーアクスルの第3世代製品は25年中に投入する。顧客の要求はコスト、効率、静かなモーターであること。第3世代は効率向上を強烈に追い求める」
――26年3月期の売上高目標4兆円に向けた進捗は。
永守氏「ハードディスクドライブ(HDD)用モーターはすでに一番大きな取引相手との取引をやめ、小型EVや大型二輪向けに事業を展開している。昔の成功体験にすがると失敗する」
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