滋賀県、新交通ビジョン策定へ初会合 交通税と議論並行

公共交通を支える「交通税」の導入を検討する滋賀県は23日、新たな「滋賀交通ビジョン」を策定する有識者懇談会の初会合を開いた。2040年代を見据えて鉄道やバスの運行頻度など、交通サービスのあるべき水準を地域ごとに指標として設定する。財源となる交通税と並行して議論することで、効率化や持続可能性の視点も反映する。
現在の交通ビジョンは13年に策定した。人口減少や新型コロナウイルス感染拡大などの環境変化を受けて見直し、23年秋をめどに新ビジョンをまとめる。23日の会合では、座長に立命館大学の塚口博司名誉教授を選任。交通税の検討を提言した県税制審議会委員を務める京都府立大学の川勝健志教授を副座長に選んだ。委員には鉄道事業者や利用者の代表らも加わった。
同県は見直しの理念として「QOL(生活の質)は交通に依存する」という英国の交通白書の言葉を示した。地域交通は人々の幸せを支え、地域の文化を育む役割を持つ。人口減少などを受けて利用者負担(運賃)だけで維持することは不可能で、自治体は一定の責任を負うと規定。新たな官民の負担のあり方について検討するとした。
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