/

日本電産、23年3月期一転減益 永守氏「あかを落とす」

(更新)

日本電産は24日、2023年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比56%減の600億円になりそうだと発表した。従来は21%増の1650億円となり過去最高益を更新すると予想していたが、1050億円下方修正し、一転して3期ぶりの減益になる。中国経済の減速などの影響を受けるほか、欧州の車載向けモーターの在庫調整などで構造改革費用を計上する。24年3月期からの業績回復につなげたい考えだ。

24日にオンラインで開いた決算説明会で永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は「創業から50年たち、小さな垢(あか)がたまってきた。これをきれいにする」と説明した。パワーステアリング用などの車載モーターを中心に、23年1〜3月期に500億円の構造改革費用を計上する。

原料価格高騰で採算が悪化した在庫への引き当てや、欧州向けを中心とした品質問題への対応などで構造改革費用を計上する。永守氏は「外部から来られた方が好き放題の経営をして負の遺産を作った」と述べ、「顧客からリコールを起こされることを想定して金額を算定した」と語った。車載事業は22年9月に退社した日産自動車出身の関潤前社長が統括していた。

23日時点の市場予想の平均(QUICKコンセンサス)で今期の純利益は1682億円だった。構造改革で市場予想を大きく下回るが、来期以降の回復につなげる狙いもある。日本電産は下方修正前には今期に2兆1000億円の連結売上高と2100億円の営業利益を予想し、10%の営業利益率を目指していた。修正後は2兆2000億円の売上高と前期比35%減の1100億円の営業利益を見込む。永守氏は将来の利益率について「20%を目指す体制にする」と語った。

ただ、新型コロナウイルス禍による中国経済の減速など、事業環境の悪化も深刻だ。車載事業では中国のゼロコロナ政策などが影響し22年7〜9月期では54億円の営業黒字を確保していたが、22年10〜12月期は80億円の営業赤字となった。永守氏は「(多様な産業で用いられる)モーターは経済指標だ。我々の業績が落ちたらほかの企業も落ちてくる」との見方も述べた。

精密小型モーター事業の営業利益も22年10〜12月期は直前の7〜9月期と比べ56%減の48億円となった。米IT(情報技術)大手などのデータセンターへの投資が減速、ハードディスクドライブ(HDD)用のモーター需要が急激に減った。

日本電産が大型投資を続ける電気自動車(EV)向け駆動装置「イーアクスル」も中国のコロナ禍の影響を受けた。同事業を担当する早船一弥常務執行役員は「足元は台数を減らしている。弊社の工場が稼働できない場合や、顧客の工場が稼働できないことがあった」と述べた。

イーアクスルは22年9月に量産を始めた収益性の高い第2世代品への切り替えを進めるため「モデルミックスを変更した」(早船氏)と言う。24年3月期の販売台数は119万台を見込み、このうち7割を第2世代にする計画だ。

24日に発表した22年4〜12月期の純利益は前年同期比5%増の1040億円、売上高は21%増の1兆6997億円で、いずれも4〜12月期としては過去最高を更新した。4〜9月期は円安による為替差益が利益を押し上げたほか、発電機事業や工作機械事業が伸びた。

BSテレ東「日経ニュース プラス9」でこのニュースを解説


ニューズレター
関西セクショントップページはこちら

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません