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建設石綿、建材メーカーと原告が初和解 大阪地裁

(更新)

建設現場でアスベスト(石綿)を含んだ建材を扱い、健康被害を受けたとする元労働者と遺族が起こした集団訴訟は23日、大阪地裁で遺族1人と建材メーカー、日本インシュレーション(大阪市)との間の和解が成立した。原告側の弁護団によると、2008年以降に全国各地で争われてきた国とメーカーを相手取った訴訟で、企業側が和解に応じるのは初めて。

同社は石綿にさらされて元労働者が亡くなったことを謝罪し、解決金1287万円を遺族に支払う。当初は争う構えを示していたが、22年1月に和解協議を申し入れた。

石綿被害を巡っては、国と建材メーカーに損害賠償を求めた訴訟が全国で相次ぐなか、うち4訴訟について21年5月の最高裁判決は対策を怠ったとして国の賠償責任を認める初の統一判断を示した。一部のメーカーにも賠償を命じた。

統一判断を受け、国が和解を進めた一方、メーカー各社は審理中の別の訴訟で今も賠償責任を争っている。現場によっては複数社の建材を扱った事例が少なくない。健康被害への影響度合いについて原告とメーカー側で主張が対立するなど、訴訟が長引く要因になっている。

今回和解が成立したのは4訴訟とは別の集団訴訟で、大阪地裁で審理が続いていた。元労働者は1981~97年に日本インシュレーションの専属の下請けとして大阪府内などの建設現場で稼働。石綿を含んだ耐火被覆材の切断、取り付け作業に携わっていたが、肺がんを患い、99年9月に74歳で死亡した。

原告は元労働者の妻(89)で2019年5月、国と同社に損害賠償を求める訴えを起こした。弁護団によると、国側とは1287万円を支払うことで最高裁判決後に和解している。

弁護団の村松昭夫弁護士は23日、記者会見し「重要な一歩だ。この和解をきっかけに、全国的に早期解決の機運が高まってほしい」と話した。原告は書面で「他の原告も早期に裁判を終わらせることができるよう願っている」とコメントした。

日本インシュレーションは「(元労働者が)当社専属であったこと、被告が当社のみであったことなどから、他の建設アスベスト訴訟とは別個の特殊事情によるものと判断した」とのコメントを出した。

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