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神戸の集合住宅で火災、70〜80代の男性4人死亡

(更新)

22日午前1時35分ごろ、神戸市兵庫区湊町の3階建て集合住宅「第2ひろみ荘」で「黒煙が窓から出ている」と、近隣住民から119番があった。兵庫県警兵庫署や神戸市消防局によると、現場で1階に住む77〜86歳の男性4人が死亡した。他に男性3人が意識不明の重体。

県警兵庫署によると、死亡したのは山口勝弘さん(77)、村上忠雄さん(86)、木村敏彦さん(78)、津田正行さん(79)。重体となった3人を含む計4人が病院に搬送されたが、うち1人は重症。

同署や同消防局などによると、集合住宅は3階建てで延べ約300平方メートル。このうち1、2階の計約26平方メートルを焼き、火は約1時間後にほぼ消し止められた。

集合住宅には単身者向けの3畳間を中心に約30部屋あり、約30人が入居していた。一人暮らしの高齢男性が多く生活していたという。

1階南側の部屋の燃え方が激しかった。死亡した4人と意識不明の重体となった3人はいずれも1階で見つかっており、兵庫署や消防局は火元の可能性があるとみている。22日午後から現場検証し、詳しい被害状況や出火原因などを調べている。

集合住宅などでは多数の死傷者が出る火災が相次いでいる。2018年1月、生活困窮者らの自立支援を掲げる札幌市の共同住宅が全焼し、入居者の男女11人が死亡した。

北九州市でも17年5月、アパートが全焼し6人が犠牲となった。日雇い労働者らが多く暮らす木造住宅で、築年数が古かったという。

15年5月には川崎市の簡易宿泊所2軒が全焼し、宿泊者11人が死亡。市消防局は16年、火災の原因を「放火」とする調査結果を公表している。

現場はJR神戸駅から南に約1キロ離れた住宅や事務所が立ち並ぶ一角。集合住宅2階の住人の男性(77)は「火事や」という声が聞こえ、慌てて外階段を使って屋外に飛び出した。その数分後には2階の廊下なども「真っ黒な煙が充満して、先が見えないほどだった」と語る。

集合住宅の近くに住む女性は22日未明、何台もの消防車のサイレンが間近に迫る音などで異変に気づき、家族で屋外に避難した。集合住宅からは白煙が上がり、時折、炎が出ているのも見えたという。

外では集合住宅の住人とみられる男性らが上着などを着ず、部屋着姿で寒さに震えていた。女性は「何も持たず、靴を履いていない人もいた。慌てて逃げ出したのだろう。現場周辺では消防士や警察官が消火や救助活動に追われていた」と振り返る。

同住宅には、体の不自由な人も暮らしていたという。女性は「車いすの住人を、介護関係の人が迎えに来ていたこともあった」と話す。

近くで水産会社を営む男性(66)は同日午前4時すぎに出勤したところ、消防車などが集合住宅前に止まり、周囲には人が集まり騒然としていた。発生当時、社内で勤務していた従業員からは「外に出ると周辺に煙が立ちこめていた」と聞かされた。男性は「この辺りは木造住宅の古い建物が多いので、火災には気をつけなければと思っていた」と話した。

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