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自殺者数なお2万人超 21年速報値、コロナの影響継続か

(更新)

2021年の自殺者数が2万830人となったことが21日、警察庁の自殺統計(速報値)に基づく厚生労働省の発表で分かった。2年ぶりの減少。新型コロナウイルスの国内流行などが影響して09年以来の増加となった20年の確定値と比べ、251人減った。ただ、コロナ禍前の19年と比べると661人増えた。

男女別では男性が20年比240人減の1万3815人で、12年連続の減少。女性は同11人減と2年ぶりに減って7015人となったが、19年より924人多く、高止まりがみられる。コロナ禍による生活環境への影響が続いている可能性もある。

人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は0.2人減り、16.5人だった。

速報値は毎年3月発表の確定値で200人前後増える傾向にあり、21年は20年と同水準になることもあり得る。厚労省は「20年はコロナ禍や著名人の自殺の影響で月別の増減などが不規則だった。21年は従前の傾向に戻った」とみている。

都道府県別で自殺死亡率が最も高かったのは山梨(23.7人)で、青森(23.6人)、新潟(21.2人)が続いた。低かったのは神奈川(12.8人)、石川(13.2人)、京都(14.5人)。

1~11月分の暫定値として原因・動機も分析。健康問題が8808人と最も多かったが、20年同期比では618人減った。一方、経済・生活問題は114人増の3038人で、うち生活苦が理由だった人が約1割増の990人に上った。

女性では家庭問題が増加し、前年比42人増の1216人。うち項目別では「家族の将来悲観」が42人増、「介護・看病疲れ」が34人増だった。

20年に過去最多となった小中高生の自殺は、暫定値で40人減の460人だった。

「深刻な状況に変わりない」


▼悩み相談を24時間受け付けるNPO法人「あなたのいばしょ」の大空幸星理事長の話 今回の自殺者数を新型コロナウイルスの影響などで特別な状況だった2020年と比較しても意味がない。コロナ禍前の19年と比べると女性は900人ほど増え、子どもも増加しており、依然深刻な状況であることに変わりはない。私たちの団体には21年に20万件の悩み相談があり、件数が増え続けている。新しい対策だけでなく、これまでの取り組みの問題点を洗い出していくことも重要だ。

〔共同〕

■相談窓口
・日本いのちの電話連盟
電話0570・783・556(午前10時~午後10時)
https://www.inochinodenwa.org/
・厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」やSNS相談
電話0570・064・556(対応時間は自治体により異なる)
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/
・東京自殺防止センター(NPO法人国際ビフレンダーズ)
電話03・5286・9090(午後8時~午前2時半)
https://www.befrienders-jpn.org/
・よりそいホットライン
電話0120・279・338(24時間対応。岩手、宮城、福島3県は末尾3桁が226)
https://www.since2011.net/yorisoi/

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