小型船舶免許合格、25%増の7万人超 コロナ後押しか
新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年度に、プレジャーボートや水上バイクなどを操縦できる小型船舶免許の合格者が前年度比25.7%増の7万1975人だったことが21日、国家試験を実施する日本海洋レジャー安全・振興協会(横浜市)への取材で分かった。
協会は「3密(密閉、密集、密接)回避でアウトドアへの関心が高まり、テレワークや『巣ごもり生活』でお金や時間が資格取得に向けられた」と分析。1人10万円の特別定額給付金も後押ししたとみている。
協会によると、合格者は16年度以降、5万人台で推移しており、19年度は5万7258人だった。20年度の合格者を月別に見ると、1回目の緊急事態宣言が解除された後の6月に前年同月比5.7%増となり、その後12月までに10.3~71.6%増と大幅に伸びた。
免許の種類別では、1級が1万9837人で前年度比30.4%増。2級免許(湖や川に限定したものを除く)は2万9226人(22.7%増)、水上バイク用の特殊免許は2万2346人(26.7%増)だった。
協会は、最も取得が難しい1級の伸びが顕著だとして「テレワークの推進で通勤時間がなくなり、勉強時間が確保できたのではないか」と指摘。定額給付金に加え、巣ごもりで外食費などが取得資金に回ったとみている。20年度、コロナ禍で海水浴場が開設されなかったため、ボートなどの海洋レジャーが注目された可能性もあるとしている。〔共同〕
▼小型船舶免許 モーターボートや水上バイクを操縦するのに必要な免許。国家試験に合格するなどして取得できる。「1級」「2級」「特殊」の区分があり、1級は20トンまたは24メートル未満の船を、海岸からの距離に関係なく操縦できる。2級は、1級と同じ大きさの船を海岸から5カイリ(約9キロ)に限って操縦できる。2級には湖や川に限定する種類もある。特殊は水上バイク限定。1、2級免許は水上バイクを扱えない。