京都新聞HD元相談役らを不起訴 高額報酬問題で地検
京都新聞ホールディングス(HD、京都市)が、大株主で相談役だった白石浩子氏に高額な報酬を継続的に払っていた問題で、京都地検は20日、会社法違反容疑で告発された浩子氏と、過去にHD代表取締役を務めた息子の京大氏を嫌疑不十分で不起訴とした。
昨年6月、労働組合「関西新聞合同ユニオン」が告発状を提出した。告発状は、京大氏が2019年7月〜21年2月、浩子氏に対し年3550万円を支払ったと指摘。経営に口出しをしない対価としての報酬で、会社法が禁じる形の利益供与だと主張していた。
地検は両氏への事情聴取などを通じて、報酬名目を捜査した結果、会社法違反での立件は困難だと判断した。
ユニオン委員長で京都新聞社員の日比野敏陽さんは「大変残念。市民や読者は、メディアが公正に運営されているか注視している」とのコメントを出した。京都新聞HDは「コメントする立場にない」とした。
この問題を巡っては、京都新聞HDが昨年4月、報酬に見合う業務がなく会社法違反だとする第三者委員会の報告書を公表した。HDと子会社2社は、約5億円の返還を浩子氏に求める訴訟を京都地裁に起こしており、係争中。〔共同〕