京セラ、半導体部品向け増産へ工場拡張 600億円投資

京セラは20日、625億円を投じて鹿児島県薩摩川内市にある半導体向け部品の工場を拡張すると発表した。敷地内に新棟を設け、2023年10月に稼働を計画する。高速通信規格「5G」の普及やデータセンターの増加などで需要が拡大しており、新棟建設により半導体関連部品の生産能力を売上高ベースで約1割引き上げる。
拡張する鹿児島川内工場は同社の基幹工場の1つ。半導体などの回路を保護するパッケージと呼ぶ部品を生産している。新棟は5月に着工し、延べ床面積は6万5000平方メートルを計画する。規模は同社の製造拠点として国内最大となる。
京セラは樹脂やセラミックを使ったパッケージに強い。樹脂パッケージは携帯電話の基地局などの需要が高まっており、電子部品に使うセラミックパッケージはスマートフォン向けなどの引き合いが強いことに対応する。
新棟が本格稼働する25年3月期の年間生産能力は330億円を見込む。鹿児島や京都、ベトナムでパッケージなどを生産しており、半導体関連部品の21年3月期の売上高は2635億円。新棟建設で生産能力を1割ほど上積みすることになる。
半導体や電気自動車(EV)関連の部品需要の高まりを背景に、京セラは過去最高規模の設備投資を続けている。22年3月期からの3年間で4500億円規模を投じる計画だ。滋賀八日市工場(滋賀県東近江市)でEV向けのセラミック製品の生産棟を新設するほか鹿児島国分工場(鹿児島県霧島市)やベトナム拠点を増設している。
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