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卵巣凍結でがん患者出産 治療一段落後に移植 国内初

がん患者の女性から卵巣を取り出した後、急速に冷凍して保存し、治療が一段落したら再び移植する不妊治療で30~40代の3人が出産していたことが20日までに分かった。聖マリアンナ医大(川崎市)が手法を開発し臨床研究を進めていた。国内ではこの手法で、若くして月経がなくなった早発卵巣不全の女性が出産した例があるが、がん治療を受けた患者の出産が明らかになるのは初めて。

がん患者が治療前に生殖能力を温存するための選択肢が広がり、特に月経が始まっておらず卵子を採取するのが難しい小児がん患者の重要な手段になると期待される。

がん患者は抗がん剤や放射線治療によって卵巣の機能が失われ、不妊になるリスクがある。これを防ぐため、聖マリアンナ医大のチームは、患者の卵巣を腹腔鏡手術で摘出し、短冊状に切り分けて急速に冷凍して保存、がんの治療が一段落した時点で、卵巣を融解して体内のもともとあった場所や近くの腹膜に移植する治療法を開発した。卵巣には卵子のもとである原始卵胞が大量にある。

2010年から臨床研究として実施しており、これまで13人が凍結した卵巣を移植。20年から今年にかけて、乳がんや悪性リンパ腫で治療をしていた兵庫県などの女性3人が自然妊娠や体外受精で出産した。

同様の医療には受精卵や卵子を凍結する手法もあるが、がん治療開始までの期間と月経の周期がうまく重ならないと実施が難しかったり、がん治療を一時中断する必要があったりした。そのため、タイミングが制限されない卵巣の凍結が選択肢となった。

現在は技術が進歩し、いつでも卵子を採取できるようになったため、臨床研究の主な対象は、卵子が採取できない子どもになっている。

聖マリアンナ医大の鈴木直主任教授(産婦人科学)は「がんの恐怖と向き合いながら将来子どもを授かるという希望を持って卵巣を凍結する人たちにとって今回の成果は朗報だと思う」と話す。〔共同〕

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